車中泊(一部旅館でウキウキお泊まり)をしながら、ここまで那須岳、男体山、1日空けて日光白根山、至仏山、谷川岳を登り、今日は苗場山です。4日連続の山登りは自分にとって初体験。条件は全く違いますが、4日間連続の登山ができれば、4日間の縦走も体力的には大丈夫と言えるかな?いずれ南アルプスとか飯豊山とか、どうしても2泊以上必要な場所にも行きたいものです。

本日のコースは かぐらスキー場からの往復コース。
標準コースタイムは約8時間

 前日は南魚沼の道の駅で車中泊し、夜明け前に駐車場に向かったのですが、道路が狭く、しかも荒れている場所もあり、どこまで行っても目的地に着かず、かなり不安になりました。聞けばみなさん同じように不安だったと言ってました。
 駐車場にはすでに10台ほど車があり、登り始めた人も見えます。今日はぽつんと一人ということはなさそうです。早速準備をして出発。ここから和田小屋までは普通に舗装道路を歩きます。

駐車場料金は500円。誰もいませんが、きちんと払っていきますよ。
和田小屋までは舗装道路を歩きます。
和田小屋付近は完全にスキー場。
和田小屋から登山開始。

 和田小屋からの登り始めはスキー場のゲレンデを歩きます。ゲレンデを横切り、登山道に入るのですが、そのままゲレンデを上がらないように注意しなければなりません。(ゲレンデを登っても行けそうですが。)
 登山道に入ってからは、ごく普通の登山道。途中「下ノ芝」「中ノ芝」「上ノ芝」の3ヶ所、休憩スポットがあります。どこで休んでもいいのですが、「中ノ芝」が一番気持ちいいです。(但し、眺望が良いかわりに日陰なし。)
 「上ノ芝」からはゆるい登りが続き、特に苦しい場所はありません。「股スリ岩」という岩場もありますが、特に問題なく、股を擦ることもありません。(ホントに擦ったらかなり痛そうではある。)

最初はゲレンデを歩きます。
ゲレンデから登山道に入るところを見逃さないように。
休憩所があっていいですね。
中ノ芝に来た。
こちらの休憩スペースが一番景色が良いです。
小松原分岐。ここは間違うことはないでしょう。
あれれ、湖があったんだ。
股スリ岩。拷問台のような・・・。

 だいぶ登ったなあと思ったところで、「田代ロープウエー分岐」が現れました。こちらは紅葉シーズンになると利用されるルート。きっとシーズンの土日はかなりの観光客が来るのでしょうね。登山装備のない人が多数よじ登ってくると思うと、少々怖い気もしますが。
 ここまで来ると、ほぼ山頂付近に来たようで、目の前には高い山は存在せず、青空だけが広がっています。「苗場、楽だったなあ。」と密かに思っていたら、とんでもない勘違いでした。

田代ロープウエーへの分岐は、期間限定です。
なるほど、紅葉シーズンになるとロープウエーが動くのね。
こっちが山頂だと勘違いしてた。
うわー、さらに奥に本体が登場。遠いな。

 山頂だと勘違いして登ってきた「神楽ヶ峰」まで登ると、初めて苗場山の全容が目の前に現れます。せっかく登ったのに、振り出しに戻ったような気分になります。(実際は200m程度の登り返し)
 「せっかく登ったのにい・・」と毒づきながら下りに突入。途中「平山公彦さん遭難の碑」がありました。慶応大学ワンダーフォーゲル部だった平山さんが亡くなったのは、この碑にある「昭和39年7月11日」なのでしょうか。それともこれは慰霊碑を設置した日なのでしょうか。7月に遭難したのなら台風に近い暴風雨だったのでしょうか。一人だったのかなあ、メンバーの中で一人だけ消耗しちゃったのかなあ、滑落したのかなあ、最後は苦しかったかなあ、などと思いを巡らせます。自分も気をつけよう。山を甘く見ないようにしよう。
 慰霊碑を過ぎるとすぐに水場。コース唯一の水場で、そこそこ美味しい水です。9月にしては暑く、ここまでかなり水分を消費してるので、たいへんうれしい水場です。ただ、水場から出た水がなぜか登山道に流れていて、数十mがひどい状態でした。これ、何とかならないでしょうか。(ここでは気づかなかったが、復路で解決することになります。)

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平山公彦さんが昭和39年に亡くなった場所。
雷清水。これはうれしい。

「神楽ヶ峰」からの下りが終わり、鞍部の先にけっこうな急登が見えます。苗場を甘く見てたと反省。ここで、なぜか強烈なけもの臭が立ち込めています。これまでの数少ない山の経験の中で、最高の臭い。熊?鹿?猪?狸?生きてるの?死骸なの?最悪藪から熊が出てくる可能性もあるかもと、熊鈴をガランガラン鳴らしながら小走りに通り過ぎました。
 幸い、臭いの本体を知ることもなく通過し、高所恐怖症の身としては寿命を縮められる登りを「気にしない、下見ない。」と念じながら登ります。それまで目の前にどーんと迫っていた苗場の山塊が少しずつ自分の目線に近づき、山頂の平原が突然現れた時は、一瞬感情が止まった感覚でした。山頂到着はちょうど10時でした。コースタイムより、ちょっとだけ早いペース。(でも、誤差の範囲内)

横綱級の臭さ・・・
熊鈴がらがら鳴らして足早に通過。
最後の登りがきつい。
あと20分の部活動。
なんか、坂が終わった。
いきなり大平原が現れた。

 山頂部は完全無風で太陽の陽が優しく注ぎ、まるで天国に来たような感覚です。あの木道の向こうから死んだばあちゃんが歩いてきても、ここなら自然に受け入れるでしょう。
 とりあえず山頂で写真を撮り、展望ベンチで池塘に移る青空を眺めながら、今日はゆっくりします。ご飯を食べて、ベンチで一緒だった人たちと語り、木道を歩き、優雅なひととき。昨日の谷川岳の険しい山容もいいけど、苗場の穏やかな雰囲気もまたいいものです。結局山頂に1時間滞在しました。先を急ぎがちな自分としてはこれは特別なことです。

無風で天気も良く、ここは天国かと思わせる雰囲気です。
山頂!
湿地帯をしばし歩く。ヘリが下ろした物資があちこちに。
山頂の山小屋です。
お値段は普通に山の相場。

 11時になり、下山開始。けもの臭区間は帰りもやっぱり臭く、もしかしたら死体なのかもしれません。帰りも臭いの元を知ることなく通過し、水場では流れの最上部にあったゴミを取り除いたら流れは登山道から通常の方向に変わり、「良い仕事をした。」と自画自賛。(もっと早く気づけよな自分。それから、ここを通ったみなさんも、気づかなかったのでしょうか。)
 下りはさすがに登りよりは速いものの、他のみなさんはさらにスピードアップするのでやっぱり抜かれ放題。(みんなホントに速いよね。)すれ違うみなさんは山頂の山小屋泊だそうで、ゆっくり登っています。あの天国のような空間で夕日と翌日の朝日を見るのもいいですね。そんなゆとりのある登山、してみたいものです。(時間はたっぷりあるが金がないのだ。)
 最後はややへろへろになりながら、今日も無事下山。思ったより疲れているなあと感じたのは、4日連続登山の蓄積疲労でしょうか。

思ったより疲れが出てる。
やっと和田小屋。
駐車場に戻りました。

 今日でひとまず山登りが終了。新潟市まで移動してビジネスホテルに宿泊し、夜の巷でひとり慰労会を行い、別の意味でへろへろになって夜が終わりました。

6:10 かぐらスキー場駐車場
6:35 和田小屋
7:40 下ノ芝
8:10 中ノ芝
8:30 上ノ芝
8:55 神楽ヶ峰
10:00 苗場山頂 着
11:00 苗場山頂 発
12:25 神楽ヶ峰
12:45 上ノ芝
13:00 中ノ芝
13:30 下ノ芝
14:20 和田小屋
14:35 かぐらスキー場駐車場

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