これから趣味として山に登るとすれば、死なないという事が何より大切です。なんていうとすごい山に登るみたいだけど、あくまでも平均的な趣味としてですが。でも、普通の人が登る山でも「道迷い」「滑落」「気象災害」「疲労による活動不能状態」「危険動物」などなど命に関わる事態に遭遇することもゼロではありません。そんな事態に遭わないように事前の準備や調査はもちろん必要ですし、体調や天候が悪い時は無理をしないことも大切です。 それでも、山で何も起きない保証はないわけで、いざという時に助けを呼ぶ手段をいくつか持っていたいものです。すでに「ココヘリ」にも加入していますが、今回、アマチュア無線の装置も持ってみようと思いついたわけです。

いったいどこで免許が取れるのか

 ネットで「アマチュア無線」と検索すると、「一般財団法人日本アマチュア無線振興協会」という団体がヒットします。こちらが講習会と免許申請を代行しているそうで、こちらのHPから調べるのが良いようです。
 地域別の講習会日程が載っているので、近くの会場を選ぶのですが、生憎近所に講習会場がなかったので、思い切って宮城県会場を申し込みました。

 国家資格ですので、一発受験する方法もあります。そちらの方が安いですが、事前勉強がいらないことを考えると、初心者は振興協会の方が楽なようです。

 受講料等は23,150円(18才以下の方は、9,850円)です。これは、どこの会場でも同じです。結構高いですね。こんなに違うなら高校生のうちに取っておけば良かった。(って、何十年前なんですか。)

 ネットを通して申し込んで料金を払い込むと、講習会の主催者(地元の無線ショップが多い)から書類が届きます。書類の説明に従って「写真3枚」「住民票」を準備します。講習会までの間にネットでテキストの閲覧ができるように、パスワードなどももらえます。(実際には、講習会に出れば十分です。事前に勉強する必要はないと思います。)

講習会初日(1月11日 土曜日)

講習会場は、山元駅すぐそば。立派な建物です。

会場は宮城県亘理郡山元町にある「つばめの杜ひだまりホール」
日程は
 9:30〜10:00  開講・諸注意
10:10〜11:40 法規
11:40〜12:20 昼休み
12:20〜13:50 法規
14:00〜15:30 法規
15:40〜17:10 法規

受講者は53人でしたが、2人欠席してました。
当日配布された資料。

 1時間30分の講義が4コマ。つまり6時間「法規」の勉強をします。内容は完全に教科書をなぞって読み、大切なところ(つまり試験に出るところ)を先生がホワイトボードに書き写すというもの。長い文章を先生が書いている間、受講生達は教科書にアンダーラインをして待ちます。なんだか効率悪いなあとも思いますが、どうやら6時間の講習というのが決まっているから、あまり急ぐと時間が余っちゃうようです。
 最後の一コマは、「模擬試験問題集」という冊子をやります。この問題集の40問(内容が重なっているものが多いから、実質30問)から、そのまま10問出ますということで、要はこの問題集の答えを覚えればOKというもの。先生は「答えを覚えてくださいね。選択肢の順番は変わりますから『この問題は3番目』みたいな覚え方はしないように。」と、あくまでも親切です。
 こりゃあ、落ちる気がしないなあ。

講習会2日目(1月12日 日曜日)

会場は同じく「つばめの杜ひだまりホール」
日程は
 9:00〜10:30 無線工学
10:40〜12:10 無線工学
12:10〜13:00 昼休み
13:00〜14:00 無線工学
14:10〜15:10 補講(遅刻・欠席があった場合のみ)
15:20〜15:40 試験諸注意
15:40〜16:40 修了試験

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 この日は山元町の成人式で、1階のホールは新成人と関係者で賑わっておりました。そんな華やかな雰囲気を尻目に、私たちは3階で黙々と講義を受けます。

講習会の間の休み時間。

 無線工学は合計4時間。こちらも教科書をなぞるように進み、一コマは問題集の解説。「とにかく余計なことは考えないで問題を正解することに集中してください。」と言ってた先生が「ヨーロッパから電波が来ると、話せないから無視しちゃうんだ。」などと最後の最後に脱線するものだから、講習が終わったところで「あの先生、覚えさせようとしてんのか忘れさせようとしてんのかわがんね。」と、プチ批判も出ておりました。でも、そこまで神経質にならなくても、問題は簡単です。

 無線工学が終わると、「補講」という時間が1時間設けられてます。受講者が朝や昼休み後の講習に遅れたりすると、出席と認められず「補講」を受けることになります。これから受講するみなさんは、絶対に補講にならないようにしましょう。受講者が全員きちんと受講すると、補講の時間を跳ばして試験になるので早く帰れます。逆に、一人が遅刻して補講扱いになると、全員がそれを待つことになってしまうのです。知り合いもいない50人の集団の中で、これは精神的にかなり苦しいです。

 幸い私たちのグループはみなさん良い子で、補講なしで即修了試験になりました。

きちんと全て受講すると、ハンコ押してもらえる。最後は回収されました。

 試験は、問題集の通りに「法規」「無線工学」がそれぞれ10問。それぞれ6割で合格と言ってました。試験時間は1時間だけど、終わったら退室しても良いとのこと。実際、すべての問題を10分かからず終えてしまいました。周りを見ると、みなさん同じようです。
 試験を終えた時点で、もう合格を確信しました。

合格しました

 問題なく合格しました。合格通知は「アマチュア無線振興協会HP」に掲載、本人へのメール、講習会主催者からの合格通知書と、3つの方法で知ることができました。講習会を受講して修了試験にも合格すると、今度は講習会の主催者が東北総合通信局に免許の申請をしてくれて、遅れて通信局から免許証が届くという手順です。
 アマチュア無線振興協会のHPで合格者を確認すると、53人中4人が不合格となっていました。確か2人欠席だったと思われるので、2人は不合格だったということになります。正直、あの問題でどうすれば不合格になるのだと思いますが、そもそも講習や試験に慣れていない人も多いのかもしれません。受講者同士あまり深い話はしませんでしたが、年配の方が多いことに驚きました。タクシーやバスの運転手さんは業務用無線のはずなので、アマチュア無線は関係ないと思うのですが、そのあたりの知識が自分にはないので何とも言えません。

 試験そのものは、2日間の講習をきちんと受けて問題演習をこなせば、特に問題ないレベルです。でも、何も勉強しないで受けたら全く手も足も出ない性質のものでもあります。受講していても居眠りしたり心の旅に出てしまったりしたら、かなり苦しくなるに違いありません。せっかく試験問題と解答まで説明してくれるのですから、2日間だけはしっかり受講しなければなりません。

無事、免許証到着!

合格してもすぐに開局できません

この後、実際に通信機を入手してから開局申請を行い、総合通信局から「無線局免許状」が届いて、初めて電波を流すことが可能となります。まずは近所のお店に行って、いろいろと聞いてこようと思います。

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