天童の東に「ジャガラモガラ」という場所があります。そのそばにあるのが雨呼山(あまよばりやま)です。
 こちらも登山口はいくつかあるのですが、せっかくだから「ジャガラモガラ」というやつも見ておこうと思い、山頂に一番近い「ジャガラモガラ口」から上ることにします。

 登山口は、県道からさらに山奥に入り、途中の道は行き違いが難しい細いところもあり、しかもカーブの連続で先が見えない道路です。心配性の私は、こういう道では必ずライトをつけて対向車の視認性をアップさせます。今回も、カーブでお互いにブレーキを強めに踏むという事態が起きました。こわ。

 舗装道の終点まで行くと、小さな駐車スペースがあり、ここから登山道が始まります。いつもの里山よりは険しいので、今回はしっかり登山靴で入ります。スタート時刻は12時20分。天気は晴れ。

最初は林道と言える広い道。実際に車が走った跡もある。
村雲の池。かなり小さいので見逃しそう。

 始めは林道と呼べる広い道をしばらく歩き、「村雲の池」という場所に出ます。ここから道は本格的な登山道になります。道は、他の登山道やよくわからない分岐がいくつか見られます。標識が朽ちていてほとんど地面に落ちているので、油断するとどちらが目指す道なのかわからなくなります。このあたりは、何とかならないでしょうか。(そう思ったのなら、お前がやれってことかな?)

 しばらく平坦だなあと思って歩いていたら、突然谷を直登するような急な階段が現れます。しかし、この階段の縁が滑りやすく、しかも内側の土がかなり流されていて、どうしても縁に足をかけないと登れないところもあります。これも、何とかならないでしょうか。(ならお前がやれってことかなあ?)

細い山道に入った。
分岐点では看板の破片を探す。
かなり急な階段。斜度は45度を超える場所も。
しかも段の縁が滑るので注意が必要です。
看板探しはもはや宝探し気分。
先が明るい。尾根が近い。
尾根に出ました。山頂はこっちだな。

 急な斜面の階段をはあはあ言いながら登り切ると、尾根に出ます。尾根といっても周囲の木で眺望はあまりよくありません。反面、実はかなりの痩せ尾根のところもあるのですが、木があるので怖くないという利点もあります。
 「いよいよ山頂かな?」と思わせるピークをいくつか過ぎ、「いくらなんでもここが山頂だろう。」と思える広いピークに騙され、それでも1時15分、無事山頂にたどり着きました。
 正直に言うと、「えっ?ここ山頂?」と思えるように唐突に山頂が現れました。周りを林に囲まれて眺望もなく、ちょっと残念な気分だったのは確かです。でも、山頂に届くまでの尾根道はまずまず気持ち良かったし、悪くない山です。

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尾根に出てからは気持ち良い道。
まだかなあ。もう高いとこないけど。
いきなり山頂が登場しました。
天童を代表する「赤塚製氷」がかなり出資したようです。

 特にすることもなく、蚊もうるさいので水を飲んで早々に引き上げることにします。気持ち良い尾根道を抜け、スリルある滑る階段をなんとか通過し、広い林道に戻ったときには結構な疲労感がありました。
 駐車場到着はちょうど2時。せっかくですからジャガラモガラも見学していきます。駐車場から歩くこと5分くらいですり鉢状地形の最深部に到着します。この最深部にできた穴から冷たい空気が吹き出ているので、すり鉢の中だけ気温が低く(おそらく冬は気温が高く)他とは違った植生が見られるという場所なのです。実際、涼しい風が吹き出しておりました。

駐車場からジャガラモガラに下りていきます。
ここだけ低いのに、雨が降っても水が溜まらないとか。
たしかに風が吹いてきました。

 雨呼山それ自体は良い山ですが、途中の看板が朽ちていたり、せっかくの階段が荒れてしまって危険な状態だったり、若干手入れが行き届いていないのを感じました。決して天童市がサボっているわけではないのでしょうけど、他の山に比べて熱意に温度差を感じてしまいます。
 おそらくここに登るのは、ほとんどが状況を理解し道も頭に入っている地元の人でしょう。だから逆に何とも思わないのかもしれません。でも、市外からやってきた私のような人間は、地図も持たず(というより、登山地図などは売ってないから、国土地理院の地形図しか情報がない。)登山口の案内図を写真に撮り、あとは道端の案内板を頼りに進むわけです。(「それがそもそも甘い!地形図持ってこい」と言われれば、それが世論で返す言葉はありませんが。)
 「やまがた百名山」という本も発刊され、ローカルテレビの番組では「やまがた百名山シリーズ」なんてコーナーもあったりするわけですから、部外者も不安なく登れるような整備も大切ではないかと思うのです。

 近々、天童市に投書をしてみようかなと思っています。

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