蔵王は、日本百名山の中でも有数の「登り易い山」と言えるでしょう。本気を出せばもっと簡単な山もいくつかありますが(伊吹山、筑波山、美ヶ原など)、蔵王だってベスト10には入っている筈。だって、ほぼ山頂と言える刈田岳の手前まで自動車で行けちゃうんですから。

 そんな蔵王は、もちろん山形百名山にもなっております。それも、熊野岳と地蔵岳のふたつが含まれています。(ちなみに、蔵王山という山は存在しません。)

午前7時50分の駐車場。

 蔵王の登山コースはいくつかありますが、今回は「一番お手軽コース」を選択します。地蔵岳と熊野岳に行くなら、実はもっと楽なロープウエー利用コースもあるのですが、金銭的なお手軽さを考えるとこちらがベストです。
 まず、蔵王エコーライン、蔵王スカイラインを経由して、車で刈田岳まで行っちゃいます。蔵王スカイラインは料金が550円ですが、7時半の営業開始前だと無料で行けちゃいます。(7時27分に料金所に突入したら、「まだ営業時間前だから、そのまま行っていいです。」と、すんなり通されました。)

お約束の写真。今日もお釜の水がきれいです。(色が。)
熊野岳に向かって。

 刈田岳駐車場で準備をして、スタートしたのが7時50分。すでに駐車場には数台の車があります。
 刈田岳山頂には神社がありますが、ここは無視して熊野岳の方向に歩きます。曇り空ですが、御釜の水がきれいです。お釜の写真を撮りながら、馬の背と名付けられた鞍部を歩き、熊野岳に向かって直登。非難小屋に向かいます。避難小屋まで登り切ると、道は熊野岳山頂行きと地蔵岳行きに分かれます。熊野岳山頂は帰りに立ち寄ることにして、まずは地蔵岳に向かいましょう。ほとんどが緩やかな下りで、最後に少しだけ緩い登りがあるくらいの楽な道です。しかも、ハイマツが地べたにへばりついて生えているくらいなので、視界も良く、突然熊に出会う危険もありません。こういう道、好きです。

熊野岳の稜線へ最後の登り。
今度は下り。一番奥が地蔵岳。
もうすぐ地蔵岳。
地蔵岳山頂着いた。
ロープウエーはすぐそこ。でも引き返します。

 スタートから1時間で地蔵岳山頂に到着。ここからはロープウエー乗り場までほんの10分程度。もしこれが団体旅行なら、ロープウエーで降りるとバスが待っているというパターンです。でも、車が刈田岳にあるので再び熊野岳に向かって戻りましょう。

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地蔵岳から熊野岳へ。
姥神、通称ヤマンバさま。落ちて埋もれていた首を繋いだのが、平成23年。

 熊野岳は蔵王山系の最高峰なので、地蔵岳から戻る道はほとんど登り。でも苦しい道ではありません。地元では小学生が運動靴とナップザックで遠足に来るくらいですから。

 再び非難小屋の分岐点に着いたら、山頂まではほぼ平坦と言ってもいいくらいのゆるい斜面を登り、ほんの数分で山頂に到着しました。若干風が強いものの、麓の上山市街がよく見えます。

 本当はここでお湯を沸かしてカップラーメンを食する予定でしたが、なんだか少しガスが出てきました。風の強さと雲の動きから「もしかして降っちゃう?」といやな予感がして、行動食だけですぐに下山。途中の斜面にコマクサが見えました。(コマクサ、なんだか少しずつ減ってる気がする。)

避難所付近には仙台二中遭難者供養碑が。修学旅行で雪が降って9人が亡くなったそうです。
熊野岳山頂の神社。奥に見えるのは斎藤茂吉の歌碑。
コマクサ、やっと見つけた。
雨が降ってきた。(でもすぐ止んだ。)

 案の定、駐車場の手前でポツリポツリ。「ほーれ見たことか。」と自分の判断を褒めながら車に到着しましたが、結局雨はポツリだけですぐに止みました。うーん、「山頂でラーメン」が正解だったかも。

 駐車場にはたくさんの車が停まっています。ナンバーを見ると、「仙台」が多いものの、「富山」「長野」「春日部」「神戸」「岡山」「青森」「岩手」「品川」「横浜」・・・全国から来ています。「GoToトラベル」の影響でしょうか。若干心配にもなりました。でも、そこそこ風が強い中で、すれ違う時にはあいさつしてから5秒くらいは息を止めて歩いたので、飛沫もエアロゾルも体内には侵入してないはず。(どんだけ神経質なんだよ!)
 人気のある山は、平日に限るな。

リンク やまがた山 蔵王

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