晴れた日の天童高原は、爽やかで気持ちがいい。(遠くに登山者用駐車場。)

 天気予報によれば、午後から雨が降りそう。これは、往復3〜4時間で登れる面白山がちょうどいいな。でも、往々にして予報よりも早く天候が変わるものです。当初は軽ザックに水と補給食だけ入れて登ろうと思いましたが、
「山頂付近で天気が急変。レインウエアは置いてきた。雨と強風で体が冷える。震えが止まらない。やばいぞ、早く降りなければ。」なんて状況が思い浮かび、雨具とツェルト入りの35リットルザックに変更。何をビビってるんだろうかと笑いながらも、これくらい慎重な方が山では命を守ることにつながります。
 それに、「自分に限って油断があると必ずしっぺ返しが起こり、そして死ぬ。」と未だに自分を特別な存在だと信じ込んでいるわけで、それが事実なのかどうかも怖くて試せません。

 午前7時すぎに登山開始。登山口は天童高原キャンプ場にあります。キャンプ場は獣たちからキャンプ客を守るために金網が張ってあり、ゲートを自分で開けて「西尾根コース」の登山道に入ります。なんとなく「ジュラシックパーク」で恐竜生息区域に入るような気分になります。(でも、人食い熊がいるわけでもなく、普通の山ですよ。誤解の無きように。)
 登山道はまずまず整備されていて傾斜も緩く、スタートの足慣らしにはちょうどいい道がしばらく続きます。途中、少し遅れて登り始めたお姉さまの鈴の音が迫ってきたので、道を譲ります。若いお姉さんは、登山靴やズボンはモンベルのきちんとしたものですが、なぜかリュックだけは街の女子高生みたいに肩紐を伸ばしています。背中の汗対策でしょうか。(その後、2つのピークで休みながら話をしましたが、リュックのことは聞けませんでした。いきなり「なんでリュックの紐長いん?」なんて聞けませんて。)

 こういう山の中、しかもあまり人がいない状態では、若いお姉さんにぴったりついて歩くのはなんとなく警戒されそうで、鈴の音がかろうじて聞こえるか聞こえないかくらいの距離を保ちます。(ソロ登山のお姉さま方へ。おじさん達もけっこう気を遣ってるんです。)

キャンプ場わきから登山道スタート。
最初はまるでハイキングコースのような登山道。
長命水。ここから道は急になる。

 ハイキング道とも言える緩い道も、「長命水」のところでおしまい。ここから斜面はやや急になります。とはいっても1000mちょっと越えるくらいの里山です。危険はありません。
 天気は晴れ。気温もかなり上がってきたようで汗が吹き出します。「軽ザックで良かったかなあ。」と少し後悔しながら黙々と足だけは進めて、三沢山に到着。登山口からちょうど1時間です。ここにくると、ようやく展望が開け、今日の目標地点である「北面白山」がよく見えます。風が通り、気持ちの良い場所です。

道が狭くなってきた。
三沢山。風が心地よい。
三沢山から面白山がきれいに見える。

 先に休憩していたお姉さんの出発から遅れること5分。最後の急登に挑みます。三沢山から稜線を少し下り、そして登り返し。
 すでにTシャツは汗でぐしょぐしょ。ザックにゆとりがあったのに、替のTシャツを入れてなかった。猛烈な風雨の場合は汗だくのTシャツを脱いでフリースを直に着込み、レインウエア、そしてツェルトで対応できるけど、炎天下でフリース着たら、死んでしまうわい。「山頂まで頑張ろう。山頂に着いたらシャツが乾くまで休むんだい!」と呟きながら急登をクリア。最後はほぼ平坦な稜線をあるいて山頂に到着。時計は9時を指していました。

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急登を登り切り、もうすぐ山頂。
山頂来た!

 先に到着して休んでいたお姉さんと、下山ルートの確認や最近の情勢など情報交換。お姉さんは少し前に鳥海に行ってきたとか。ルート確認で出てきた画面も「やまがた百名山」のサイトだったし、遠出を自粛して近所の山を登っているみたいですね。良識があって良い人みたいです。

お地蔵さまが二人。

 一足先に降りたお姉さんを見送り、誰も来ないのをいいことにTシャツを脱いで乾かします。(これが風で飛んで行ったら、笑えるな。)
 山頂にはお地蔵様が2人。その前にはたくさんのお賽銭が散らばっています。「お賽銭箱、欲しいなあ。」と思ってしまいます。このお地蔵様の管轄はどこなんでしょう?
 山頂を示す「面白山大権現」の石柱のそばには、きれいに描かれた石が置いてありました。どこの誰かは知りませんが、登った先々で石を置いていくのでしょう。これが山のマナーとしてどうなのかは自信がありませんが、ちょっと素敵だなあと感じます。
 石に描かれた女性は、さっきまで一緒にいたお姉さんと似てるような気もするなあ。いや、気のせいかなあ。

誰が置いていったのか・・・上手だな。
さあ、下りよう。

 30分ほど休憩したけど、Tシャツが乾く兆しもなく、「ひゃあ、冷たい。」と言いながら再び着込んで下山開始。
 下山は「かもしかコース」を途中まで下り、長命水に戻るコースを選択します。こちらは「西尾根コース」よりも急な道。こっちを登っていたら、途中で心をへし折られていたかもしれません。かもしかコースの方は、ほんの数日前くらいに下草刈りをしたようで、まだ青々とした草や枝が山道に散らばっていました。機械を持ち込んで丁寧に刈って下さったようです。有難いことです。
 「かもしかコース」から長命水への迂回路は、ここだけ少し草が生えてる感じ。おそらく下草刈りはこれからなのでしょう。この道は谷沿いを回る道なので、足を滑らせると結構な距離を滑りそう。(でも死にそうな感じではない。)所々、道が狭いので注意して進みます。

かもしかコースは、草を刈った直後のようです。
かもしかコースからの迂回道。
滑るところがあるから、注意して。

 長命水に戻ると、あとは危険なところはひとつもありません。気持ちの中ではもう登山が終わった感じです。(こういうのって危険ね。)長命水をがぶ飲みして命を繋ぎ、ここらはほぼ平坦になった道を歩いて、無事に登山口に戻りました。時計は11時少し前。天気が崩れる前に降りてくることができて、良い山旅でありました。

無事に戻ってきました。
キャンプ場には売店があり、軽食やソフトクリームがあります。

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