明日はあの山のどれかに登っているはず。(どれが何かわかっていない。)
黒木渓谷には、砂防公園というのがある。過去にたくさんの苦労があった地区なのだろう。
駐車場には、もう一台の車が。気になる。

 2日の英彦山が寒い強風と霧雨で、移動日だった3日は快晴の青空。まあ、こんなこともあるさっ。(いや、こんなことが多い気が・・。)
 3日の午後に黒木の登山口に到着。駐車場には立派なトイレもあり、快適に過ごせそう。(車中泊は「道の駅」よりも「登山口駐車場」の方が静かで好きです。)駐車場には既に車が一台。きっと多良岳に登っている人でしょうね。そのうちに下りてくるでしょう。でも、なかなか車の持ち主は現れない。「もし、夜になってもこのままだったらどうしよう。遭難したかも。警察に連絡した方がいいのかな。」とおもいを巡らせる。「余計なお世話かも。でも、どこかで怪我をして動けないのに、車に気づいた人(自分)が何もしないで放置して、最悪の結果に・・」
 あたりが少し薄暗くなった頃、年配の3人組が下りてきました。ああ一安心。

 いよいよ駐車場には誰もいなくなり、簡易ベッドに潜り込んで寝ている時、車がやってきた。軽トラックのおじさんで、トイレの中で何かゴソゴソやって帰っていきました。トイレを管理している職員の方でしょうか。それにしても、あのおじさんは「暗い中残された一台の車」には興味を持たない様子。「車の持ち主はどこだ。まさか山中でトラブル?」とか思わないのだろうか。不思議だ。

 4日、朝5時に軽トラックがまたやってきて、トイレを見て、そして帰っていった。やはり車の存在はどうでもいいらしい。そろそろ起きて準備をしよう。ブルックスのコーヒーで昨日購入したおにぎりを食べる。
 6時少し前に再び軽トラ登場。声をかけてみた。地元の住民で、管理を委託されているそうだ。おじさんからは「経ヶ岳もいいぞ。」と勧められるけど、基礎知識ゼロで突っ込む勇気もなく、予定通りに多良岳を目指すことにする。

登山道はこんな感じ。
緊急連絡用位置番号。最近、こんな表示が増えてきた。

 6時10分スタート。まだ暗いがうっすらと道が見えるので、ライトなしで進む。30分ほどは車も通れる林道なので、少々暗くても危険はない。それに、ここは九州。熊はいないのだ。
 6時30分、林道から登山道に入る。角ばった石が転がる登山道は、それほど歩きにくいわけでもない。無風だが空気がかなり冷たい。でも、それも日が射してくれば柔らぐだろう。
 7時30分、水場に到着。でも、水場というのが「沢の本流」なのか「脇の支流のチョロチョロ水」なのか見分けがつかないので無視して進む。水場を過ぎたあたりから、「平坦な道」「石だらけの急な道」が交互に現れる。「平坦な道」といってもかなりの急斜面を巻いていく50センチほどの細い道で、足を滑らせたら谷までノンストップだろう。かなり痛いはず。(いや、死ぬ。)実際、2018年にシニア男性が行方不明になっている。自分もシニア世代だ。気をつけねば。

オオキツネノカミソリの群落。
はい、気をつけます。

 そうやって、登りと平坦を繰り返しながら、8時前に「西野越」という峠らしいところに出た。ここから500mほど緩やかな登りを歩くと、突然山小屋と寺が現れた。ふむふむ、山小屋ね。境内にテントを張っても良いのね。なるほど、駐車場で軽トラおじさんが車に無関心だったわけだ。ここで宿泊してたら麓の駐車場には無人の車が残っても不思議じゃないしね。

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ここからはほぼ平坦。
歩き易し。
山小屋出てきた。
うーむ、寒いぞ。
金泉寺

 天気は悪くないけどかなり寒い。ウールの耳当てをして多良岳に向かう。最初は辛い石段。その後は大きな岩を縫うようにして稜線を歩く。途中、石の表面に氷が張っているのに気づかず、滑って尻餅をつく。毎回一度は転ぶんだよね。バランス感覚悪いのかな。(バランスが悪く、高所恐怖症の人が山を趣味にしていいのだろうかと、改めて思ふ。)
 多良岳山頂には簡単な社があるけど、名標がない。やっぱり「ここは多良岳です」というマークがないと、写真を撮ってもなんか寂しい。一度下り、登り返して「座禅岩」を通り、「前岳」へ。ここには小さな名標があった。でも、「前岳」ではどこの前なのかよくわからないな。

最後の山頂アタック開始!
石段はひざにくるなあ。
やっと稜線に出ました。
ちょっと寄り道して国見岳。
多良岳山頂の社。
自分にとっては、まずまず怖い。
この石で滑ったぞ。氷張ってたぞ。
大丈夫。怖くない怖くない。
座禅岩に乗る勇気なし。
本日の最高峰。

 稜線はかなり風も強く、寒い。(前回も寒かったが、今日も本当に寒い。)早々に反対側に下山開始。途中、雲仙と有明海がうっすらと見えた。(明日は雲仙なのだ。)
 鞍部に降り立つと、林の中の迂回路を通り神社へ戻ったのが10時30分。止まっていると寒さが身に染みるので、早々に出発し、駐車場に着いたのは12時少し前だった。

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