3月19日、朝6時起床。朝食後、長者原の駐車場を出発。10分ほどで湧蓋山登山口に着いた。一番乗りだ。道路沿いのスペースに車を停め、着替えをして出発する。時計を見るともうすぐ7時。今日はそれほど長い距離でもないので遅いということもない。とはいえ、コースタイムで往復6時間かかる山である。油断は禁物だ。登山口には「最近、午後から入山して夜まで下山できずに遭難する事故が急増しています。」という警察の看板があった。いやいや、そんなことしませんよ。(でも、高千穂峰ではしっかり午後出発してる。猛反省。)

駐車場に来た。今日も一番乗り!
登山開始!「午後から行くな」の看板がある。
一目山、今回はパス。
ゴールはまだ先。

 歩き出すと、すぐ前方に「一目山」という小山があるが、先が長いので舗装された迂回コースを進む。再び一目山からの道に合流すると、舗装道はここまで。いよいよ登山道になる。登山道といっても高低差はほとんどなく、ペースは普通に街を歩くのと変わらない。途中にある「みそこぶし山」には8時に着いた。
 みそこぶし山からは目的の湧蓋山がよく見える。距離はかなりあるが、なだらかな山なので苦しい場所はないだろう。それに、放牧地や笹藪が多く視界も良い。気持ち良いハイキングという雰囲気である。ただ、これが真夏の青空だったら、日陰がまったくない道を延々と歩くことになり、それはそれで厳しいだろう。(3月の九州、好き。)

ドウダンツツジを頑張って植えているそうだ。
登山ぽくない普通の道。
有刺鉄線は家畜が逃げない工夫と思われる。
視界が良くなってきた。
最初のピーク、「みそこぶし山」。
ゴールはまだ遠い。

 みそこぶし山から15分ほど笹の草原を歩くと、もうひとつの登山道と合流する。「疥癬湯」という温泉旅館からスタートする道は、回選んだルートよりも短かく、こちらも悪くはないだろう。しかし疥癬湯の駐車場は狭く、駐車料金もかかるのが難点ではある。
 合流地点から、しばらくの間林間コースとなる。ここに、タオルと上着の忘れ物を発見。「暑くてリュックをおろして上着を脱ぎ、水でも飲んで一息ついて、結局上着をそのままにして出発。」という光景が目に浮かぶ。自分がトップで登っている筈なので、今日の忘れ物でもないだろう。
 林間コースを抜けると、いよいよ湧蓋山への登りになる。登りといってもそれほど頑張る必要はない。普通の歩幅で登っていける緩い坂道だ。さすがに少し汗もかいてきたが、疲労感はない。

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なかなかの「ばえる場所」と思われるが・・。
再び森の中。
こんな感じで歩きやすい。
忘れ物!
ここにも!
第二のピーク、「女岳」。ゴールはすぐそこ。

 9時、山頂手前の「女岳」に到着。山頂まではまだまだ距離があるようにも見える。でも、歩いてみれば意外に短時間だったという経験をたくさんしてきた。そんなことを思い出しながら「山頂まで残り30分」とイメージして最後の登りに取り掛かる。さすがに山頂に近づくと岩が点在し、それなりに登山をしているという気分になる。でもそれもあっという間。9時20分、山頂に着いた。

最後の登り。
ちょっとだけ岩場。
もう少し!
山頂に着いた!(この画像はアイフォン。解像度とコントラストがデジカメより優秀だ。)

 山頂は広い。ここなら100人以上が一斉に弁当を広げられる。登山道も危険は少なく、小学5年生あたりの遠足にはもってこいの場所と言える。そんな場所で一人ぽつんとお食事タイム。自分の地元では流通していない九州のパンメーカーの甘いパンと、温かいカフェオーレ。このパターンが手軽で、しかも幸せになれる。

山では、甘いパンだよね。(実は里でも甘いもの好き。)
スーパーで買ったビスケット。68円だったかな。

 下山途中、熟年夫婦と「山形ナンバーがありましたけど。」「はい、私です。」「遠いところから、よくいらっしゃいました。」という昨日のデジャヴのような会話をし、思い切って忘れ物の上着を回収し、ついでにゴミ拾いなどをしながら駐車場に向かう。駐車場そばの一目山が遠くに見えるので、かなりの距離をあるいたことがわかる。実際、直線距離で4キロ以上ある。昨日の祖母山が登山口から直線で2キロ少々、縄文杉から宮之浦岳までも2キロ程度である。距離だけ見れば相当のものである。(それでも傾斜が緩やかだと、ずいぶんと楽なのね。)

 11時頃、駐車場まで1時間もかからないところまで来た時、小さなリュックを背負ったご婦人(40代?)が一人で歩いてきた。「すみません、湧蓋山はまだ先ですか?」「あそこに見える山(みそこぶし山)を越えて、さらに先です。ほら、遠くにみえるあれです。」「まだだいぶかかりますね。」「おそらく、まだ3分の1来てないくらいです。」「・・・・頑張ります。」そういういと、女性は先に歩いていった。うーん、心配だ。本人に悪気はないだろうが、普通のズックに小さなリュック、おまけに目的地がわかっていない。今日は天気も悪くないので大丈夫だろうが、もし天気が急変して隠れる場所もない山の上で風雨にさらされたら、かなり大変だろう。彼女についていってもう一度山頂までいってあげようかとも思ったが、限りなくストーカーっぽいので実行はしない。無事に帰ってこれますように。

 11時40分、登山口の駐車場に戻った。よし、麓の筋湯温泉に「日本一のうたせ湯」という看板があったっけ。そこに入っていこう。車を5分ほど走らせ、温泉の共同駐車場に停めて歩くこと数分。うたせ湯があった。残念ながら広い湯船と4mくらいのうたせ湯が並んでいるだけで洗い場がない。仕方がないので湯船のわきで体をごしごしして、滝修行のようにうたせ湯を浴びてきた。

リンク 筋湯温泉

 すぐそばには久住山があるが、明日から天気が崩れる予報が出ている。何日か休憩することになりそうだ。

本日の行程。
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