「日本一の石段」を登り、熊本市では初めて「ウエスト」でうどんを食し、阿蘇に向かう。午後から風雨が激しくなる。今日阿蘇に登らないで正解だった。天気は悪いが時間にゆとりがあり、午後2時には「道の駅 阿蘇」に着いた。何かの道の駅ランキングでトップだというだけあり、駐車場も大きく観光客で賑わっていた。夕食になりそうな食べ物も売っているが、ややお値段が高い。そこで、車に戻ってお昼寝。夕方に再び店に行くと、案の定半額のシールがついていた。(貧乏じゃないぞ、節約だぞ。)おにぎりを2つ買って、備蓄してある焼きそばを焼き、栄養バランス無視の炭水化物セットで満足した。雨はまだ降っているが、明日は回復するという予報が出ている。青空を信じて寝る。

3月17日

 天気の良い朝を迎えた。阿蘇の山並みは霧で見えないが、お日様が地面を温めれば消えてくれるだろう。朝ごはんにラーメンを煮て、歯磨きに行く。「道の駅 阿蘇」は外に水場があり、歯磨きをしながら水を入れ替える。その時、隣で歯磨きしていたお兄ちゃんのジャンパーに「○○大学○○部」のロゴを見つけた。これは、屋久島でお世話になった医学生の鉄人美少女と同じではないか。声をかけて話を聞くと、昨日阿蘇に登ったが荒天で山頂を断念したという。若いって素晴らしいが、無理はしないで生き延びて、明日の日本を守ってほしいと願う。

 昨日、道の駅の案内所で「有料道路は9時にゲートが開きます。」という情報を得ている。有料道路手前の駐車場は料金がかかるかもと言われた。駐車場の様子がわからないので、行ってから判断しようと、7時半に道の駅を出発。(貧乏じゃないぞ。節約だぞ。)
 有料道路入り口に着くと、広くはないが無料駐車場があり、まだまだ余裕だった。そのわきには東京ドームが収まりそうな広い有料駐車場。無料が満杯になると、こちらに入るしかないということか。すぐ隣同士なのに、明暗が別れる場所である。無料駐車場に停められるなら、9時まで待って短い有料道路を通る理由などない。8時20分、登山開始。

有料道路入り口に無料駐車場があった。
うーん、道路の右と左で明暗が分かれるなあ。

 しばらくは有料道路のわきを歩くことになるが、30分もかからず登山道の分岐に出る。やはり歩いて正解だった。節約もそうだが、山では早くスタートできる方を選ぶのが鉄則だろう。
 砂千里ヶ浜と名付けられた黒い砂地に、木道が伸びている。まだ有料道路が開いていないので、観光客もいない。前も後ろも誰もいない黒い平原と火山のごつごつした岩肌は、スターウォーズの映画が撮影できそうな雰囲気である。砂千里ヶ浜の端までくると、道は火口を遠くに迂回するように左に折れる。その先には崖のように見える急斜面が見える。一瞬「自分が来てはならない場所か?」と不安になる。でも、近づいてみると危険はなさそうだ。楽に登れるわけではないが、慎重に進めば問題はないだろう。

有料道路沿いを歩く。(まだオープンしてないので車は来ない。)
こういうの見ると、震え上がります。
有料道路の終点手前。ここから登山開始。
黒い砂原。あの丸い岩は噴火で飛んできたのね。
ねえねえ、どこを登るの?
あそこ、登るの?
ここ、登るのね。ちょっと怖い。
岩、落ちて来るなよ。
ようやく崖を登った。南峰がすぐそこ。

 10時、急登を登り切り鞍部に出る。ここから中岳まではカルデラの縁を歩くので高低差はない。左側の崖に近寄らないようにしながら進む。10時25分、中岳に到着。ちょっと早いがパンとコーヒーの昼食。若干風が冷たいが、青空である。昨日、暴風雨の中でこの辺りを歩いた学生さんを思うと、なんだか申し訳なくも思う。
 中岳あたりに来ると、おそらく仙酔峡から登ってきた登山者とすれ違うようになる。人が多くなると「ああ、百名山だなあ。」と感じる。中岳から最高峰の高岳までは往復1時間。特に大変な場所もなく11時に登頂。11時25分に中岳に戻った。あとは下るだけだが、なんとなく下りてしまうのがもったいなくて、中岳でラーメンを煮て食べる。朝に続いてのラーメンになるが、時間にゆとりもあるし天気もよい。おまけに景色も抜群。「山でラーメン」には絶好のシチュエーションと言える。

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ここからは稜線(カルデラの縁)を歩く。
左側には寄らないようにしよう。
激しく❌。この下は崖。
中岳分岐。特等席でお湯を沸かすお兄さん。
中岳到着。
高岳に向かう。(お兄さんは、ラーメンを堪能中。)
月見小屋分岐。いかにも火山という山肌です。
高岳山頂。遠くに九重連山が見える。
みかんの皮も持ち帰ってほしい。
さあ、中岳に戻ろう。

 12時、中岳を出発。再びカルデラの縁を歩き、南峰そばの分岐点まで戻ってひとやすみ。その時、犬を連れた小さな女の子がお父さんと登ってきた。トトロの歌を歌いながら登ってくる女の子は、どう見ても幼稚園児。しかも登山の装備をするでもなく、近所の公園に行くような格好である。しっかり登山靴を履いて、それでも少々ビビりながら登ってきた急登を、この子は歌を歌いながら犬と散歩にやってきたというのか。登り切って疲れたのか少し言うことを聞かなくもなっていたが、ビスコをあげたら元気になってまた走っていった。おーい、左側、崖だよお。気をつけてよおー。

中岳からの帰り道。

 幼稚園児が軽々登ってきた急登を、慎重に下る。一度道を間違い、大きな割れ目に向かって行ったが途中で気づいて修正。なんとか無事に坂を下りた。あとは平坦な「砂千里ヶ浜」を歩けば登山道は終了になる。

再び崖を下る。
崖が終わり、あとは砂千里ヶ浜を歩くだけ。
車道まで戻った。
赤が点滅してるのに、避難指示は何もない。観光客も普通に見学してるのは何故だろう。
展望台。多少の損傷が見られる。

 13時20分、車道に出た。せっかくなので展望台まで行って火口を見学していくことにする。展望台は観光客でごったがえし、コロナのリスクが高そうなので早々に退散。14時、駐車場に戻り、ウェブで下山届を出して登山終了。天気に恵まれ、快適な1日であった。
 明日の予定は祖母山。登山口まで車で1時間少々である。明るいうちに登山口の駐車場まで行けそうだ。

本日の行程
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