3月11日、屋久島から鹿児島港に戻り、珍しくネットカフェで一泊。2000円ちょっとでシャワーも使え、ソフトドリンク(ソフトクリームも)飲み放題、朝6時からは無料でトーストとポテトフライが食べ放題。コスパは悪くない。

リンク 快活クラブHP (ここを使いました。)

 明けて12日は、ゆっくりしながら高隈山の登山口に向かうだけ。フェリーは使わず鹿児島湾をぐるりと回りながら垂水市目指す。途中、蒲生の大クスの木を見たり、火山灰を含んだ泥の雨にびっくりしながら、垂水の街に着いたのは13時すぎ。「ゆとりのある1日だな。」と、その時は思っていた。
 しかし、登山口がなかなか見つからない。「猿ヶ城渓谷」に進み「猿ヶ城渓谷森の駅たるみず」という施設で道を尋ねると、登山口は一度下って別の道を山に向かって進めという。言われた通りに進んでも、峠を越えて反対側に下りてしまい、登山口が見つからない。林道などの細い道になると古いナビは使い物にならず、スマホの地図と見比べながら検討をつけて走る。ようやく見つけた「登山口」の標識を頼りに進んでも民家の間をぐるぐるするだけでわからない。やっと登山口に続く林道を発見した時は、午後4時を過ぎていた。
 しかも、その林道があちこち工事中で、その日の作業を終えただろう工事車両が何台も下りてくる。それらの車をやり過ごしながら30分も進んだだろうか。目の前に「通行止め」の看板が現れた。登山用に準備した地形図を見れば、登山口までは数百メートル。道のわきのやや広いスペースに車を置くことはできそうだが、この場所を工事関係者が使うのかどうかもわからない。
 苦労して登った林道を戻り、他に道はないか探したものの見つからず、残念ではあるが高隈山をパスする決断をした。(くーーーっ、今日の1日は何だったのだろうか。)

 時刻はすでに午後6時。急いで次の山までのルートを確認する。次の予定は霧島の韓国岳。登山口の「えびの高原」までは約2時間か。到着は夜になるが、今行かないと1日が無駄になる。そう思い、車を走らせる。
 麓の霧島神宮まで来たあたりから、なんとなく霧が出ている。でも、大したことはないと判断してえびの高原に向かう。しかし、上れば上るほど霧が濃くなり、ライトをどう向けても視界が10mないような状態になった。他に車はなく、真っ白な霧の中を道路のラインを手がかりにゆっくり走る。時速20キロも出せない。
 そんな緊張感漲るドライブを続け、9時近くにえびの高原に着いた。霧で駐車場の全貌が把握できず、そろそろ走りながら隅っこのスペースに車を置いて、すぐに就寝。今日は散々な1日だった。

3月13日 韓国岳

 午前7時に目が覚めた。今日の韓国岳はそれほど時間もかからないので、ゆっくりでも大丈夫。いつの間にか周りには多くの自動車がある。準備を済ませ歩き出す人の姿も見られる。山頂部は霧で見えないが、天気自体は悪くない。昨日のことは忘れて新たな気持ちで登るとしよう。

雲で山頂が見えないぞ。
ガス注意ね。しかし、新燃岳からって・・ずいぶん遠い気がするが。
登山のスタートは大抵こんな林間コース。

 8時、登山開始。「硫化水素に注意」という看板を見て風のにおいをくんくんする。しっかり硫黄の香りがするが、理科の実験(鉄と硫黄の化合)ほどでもない。問題はないだろう。それに、風が強いから有害な期待がたまることもないはず。
 煙をあげる立ち入り禁止区域を左に見ながら林のなかを進む。30分ほどで「硫黄山火口展望所」の標識が見えたが肝心の火口は霧で見えない。まあ帰りには見えるかなと淡い期待をもって先に進む。

展望ないぞー!
一応「ガレ場」?

 3合目あたりから、岩が目立ってくる。霧で周りが見えないので、立ち止まることもせず登る。途中にザレ場もあるが、傾斜がゆるいので特に問題はない。8合目くらいから風はますます強くなり、強風に雲が吹き飛ばされて時々景色が広がる。でも、カメラを構えているうちに次の雲が視界を塞ぎ、きれいな写真は撮れない。

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7合目、何も見えんぞー!
左手に大浪池があるはずだが・・・。
8合目、何も見えんぞー!
9合目、何も見えんぞー!

 9時20分、山頂に着く。コースタイム2時間なので、ほぼコースタイムで歩く自分としてはかなり早い。(でも、最近コースタイムより早いことが増えてきたような気もする。)ここで、ポットのお湯でインスタントのカフェオーレを作りパンをかじる。火口側から吹き上げてくる猛烈な上昇気流で、霰(あられ)がポツポツと落ちてくる。真上は青空なのに霰が降ってくる不思議な現象だった。そんな強風の中でもバーナーでお湯を沸かしカップラーメンを食べる人がいる。すごいなあと感心する。(でも自分なら、カップ麺の場合はポットのお湯で間に合わせるかな。)
 寒さに耐えて山頂でじっとしていると、新燃岳や高千穂峯も時々姿を見せる。新燃岳は火口の中が水平で、「中身のはいった鍋」という印象を受ける。空っぽの鍋のような韓国岳に比べると、確かに恐ろしさは倍増する。立ち入り禁止は妥当だと改めて感じる。

あっという間に山頂きた。
写真ではわからないが、左下から猛烈な風が吹き上げている。
あられが落ちて来た。恐ろしー。
新燃岳と、遠くに高千穂峯も見える。明日は高千穂峯の予定。
大浪池の方は雲で視界悪し。

 さて、今日のコースは大浪池をひとまわりして戻るルートだ。予定通り行く方がいいか、それとも来たルートを降りるべきか悩むところだ。疲れているわけでもないので、行けないことはない。でも、風が収まる気配はない。下れば風も弱まるだろうが、雲に覆われた韓国岳を見ながら歩いてもつまらないだろう。山頂には到達し、最低限の目的は果たしたし、下りてゆっくりしよう。そう決めて、9時50分下山開始。帰り道も変わらず霧と強風で何も見えない。景色がないと歩くペースも自然に早くなるようで、11時にはえびの高原に着いてしまった。

帰りは硫黄岳がよく見える。
もうすぐゴール。
駐車場に到着。なんだか天気が穏やかになってきた。

 駐車場に着くと、車のワイパーに「出る時500円払ってね」というカードが挟まっていた。やっぱりお金取るのね。まあ仕方がない。それよりも、温かいものが食べたい。車を空いているスペースに移動させて、ラーメンを煮て食べる。食べているうちに、空はだんだん明るくなり、韓国岳の山頂も見えてきた。なにい?もしかして早く下りて失敗だった?も、これから再び同じ道を登るのも悔しいし、こんなこともあるさ。

あれれ?山頂が見えてきたそ。早く下って失敗したか・・・。

 明日は・・・高千穂峯だな。登山口まで30分かからないのか。ゆとりだな。高千穂峯のルートは・・・ふーん、4時間かぁ・・・。ん? 登山口まで30分? 登山コースが4時間? 今はまだ11時半・・・午後から・・登れるんじゃない?

 とにかく行ってみよう。行ってから考えればいい。そう気がつくと、すぐに車をスタートさせ、高千穂河原駐車場に向かった。

本日のコース。大浪池をやめたので、短時間で終了。
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