3月21日朝、鶴見岳の登山口に来てみた。来てみたという表現なのは、天気が今ひとつなので登る気もなく、登山口の下見をしていこうかという気分だった。雨は降っていないものの山頂は雲に覆われて見えない。駐車場のを歩き回り、「トイレはちょっと汚いなあ。水場はないんだな。」などと確認をする。「三寒四温」の言葉の通り晴れと雨が1週間サイクルでやってくる季節である。3日くらいの停滞は仕方のないこと。昨日に引き続き、今日もどこかで時間をつぶそうと思っていた。

車は2台だけ。

 そうやって駐車場でダラダラしていたら、車がもう一台やってきた。車から降りたまあまあ熟年の3人組は、迷うことなく登山の準備を始めている。どうしようかと迷っている私に「雨も降ってないし、大丈夫ですよ。」と言い残して出発した。

 グループやツアーで山に登る場合、「雨は降ってないけど山頂が雲で見えない」という現象だけで中止を判断することはない。まあ、森を歩くのならそれも悪くないだろう。でも、鶴見岳の山頂に行けば由布岳や別府湾の眺望も楽しみたいところだ。そう考えるとコンディションは良くない。どうしよう・・・。

 迷った結果、登ってみることにした。「どうせ休むつもりだった1日だ。山頂で何も見えなかったら又来ればいいんだ。」と言い聞かせ、お湯を沸かす。(特に今日は、ポットのお湯が大切。)

3人組はすぐに出発。自分はまだ迷っている。

 10時20分、駐車場スタート。(おそっ!!) 少しだけ車道を歩くと、とても立派な二本の杉の間から石段が始まる。石段を登ると10分ほどで神社が現れる。火男火売神社といい、鶴見岳を神格化して祀る神社だそうだ。
 神社を過ぎると石段もなくなり、ほんとの山道になる。歩いてすぐに「べっぷ鶴見岳一気登山道」という標識があった。その時は「ふーん、一気に登るのね。」くらいに思っていたが、帰宅して調べると、別府湾から鶴見岳までの登山ルートがあり、「鶴見岳一気登山」という大会もあるらしい。歴代の優勝記録を見ると、1時間15分くらいで山頂までの12キロを走破している。(12キロを1時間15分なら、自分の場合ほぼ平地の記録。)

リンク 火男火売神社(大分県観光情報公式サイト)

リンク べっぷ鶴見岳一気登山

そんな凄まじいコースの一部とは知らず、山頂へ足を進める。道の途中には「次の地点まで○分」という案内板が出てくるので時計を見ながら設定通りの時間で歩く。林間の道はわかりやすく、地図を出す必要もない。少し上の方にいくと鎖場もあるが、何もないよりは気持ちもリフレッシュして悪くない。

登るぞ!
神社までは、参道といえる石段。
火男火売神社。
神社から登山道が始まる。
一気登山道・・・きつそうなネーミングではある。
距離の表示が多く、どこまで来たのかわかりやすい。
ちょっとだけ岩場もあります。

 11時40分、だいぶ山頂に近づいたところで、突然藪がガサガサ音をたて、鹿が現れた。東北ならカモシカをよく見るが、こちらは普通の鹿だった。(写真を撮ったが、残念なことにおしりしか写っていない。)この一帯は鹿の食害が問題になっているという。鹿に出会ったのはうれしいが、喜んでばかりもいられない。

スポンサードリンク
鹿が写ってます。(おしりだけ。)

 坂を登り切ると「七福神めぐり」という遊歩道があり、その先の階段を登ると山頂になる。12時少し前に登頂。山頂は別府の街を一望できる立地を利用して、大きな電波塔が立っている。また、ロープウエィ山頂駅からのアナウンスも聞こえ、大自然を感じるという山ではない。せめて景色が良ければいいのだが、霧で何も見えない。おまけに風もそこそこ吹いていて寒い。やはり登るのは今日でなかったと思いながらロープウエィの駅まで歩き、そこで一休みしてすぐ下山した。

ここは、普通に観光スポットだな。
最後の階段。
山頂は何も見えず。晴れたらかなりよい景色のはずだが。
ロープウエィの山頂駅も霧。
戻ってきた。結局車は2台だけ。本日ここからの登山者は4人。

 13時30分、駐車場に戻ってきた。相変わらず山頂は雲に隠れて見えない。残念だが、こういう日もあると切り替え、駐車場を後にした。今夜は「道の駅ゆふいん」で寝る。

本日の行程
スポンサードリンク