七面山は当初は予定に入れてなかったけれど、昨日の毛無山で強く推されたので来てみた。ここは二百名山に入っているので、今回来なくてもいつかは来たであろう山ではある。前日は富士川クラフトパークという道の駅で宿泊。他に車は2台しかなく、山を少し登った立地もあって静か。でも少々雨模様で風も強く、翌日が心配でもあった。

 そして26日、幸い晴れてくれたので早々に出発し、5時半に登山スタート。実はこの山は2つの心配事がある。コースタイムが9時間半となっていて、今までの山より距離があるのだ。そしてここにはヤマビルが出るという。あーいやだいやだ。薬局でヤマビルファイターを購入しようかとも思ったが、ネットによればあちこちに塩水などが設置されているという。お金をかけたくないのでそのまま行ってみる。でも這い上がってくると怖いので、雨でもないのにスパッツを巻いた。

駐車スペースはまだ余裕
げっ、マスク義務か。(でも、坊さん以外誰とも会わなかった)

 長い登山道とは言っても、そのほとんどが敬慎院というお寺の山道になっているので普通に歩ける道である。おまけに途中には休憩所やベンチがあったり、水場もあるし遭難するような道ではない。でもヤマビル怖い。
 10分ほど登ったところに第1の休憩所。ここにヤマビル除けが置いてあったので有難く使わせていただく。塩分濃度が半端ない筈なのできっと靴を傷めるだろう。下りたら水洗いしなくちゃ。

「ヒル下がりのジョニー」(笑)

 登っている途中でなぜか私の地元山形の建設会社寄贈による看板があった。それもかなりの数である。きっと多額の寄付をしているのだろう。もしかしたら社員の皆様揃って参拝に来られるのだろうか。
 参道には「〇〇丁目」の石灯篭が点在し、距離の目安になる。こういうところは信仰の山の良さでもあろう。それぞれの灯篭には寄贈者の名が彫られているのもお馴染みの光景。
 ガイドブックによれば20丁目あたりまでがヤマビルの生息地ということなので、その区間は特に注意し、ベンチに座ったりせず、できるだけ参道の中央を歩く。熊も怖いがいるかいないか見当もつかない小動物もなかなか緊張感があり、精神的にかなり疲れがでた。

山形の企業がここまで進出してる
グレートカブキ!!!
お寺の手前の石段

 敬慎院の手前から大きな石段が登場し、それを登り切ると48丁目の石灯籠から広いお寺の敷地になる。時計を見ると8時50分。既に3時間以上経過している。七面山侮れない。ここは帰りにしっかり見ることにして、とりあえず先を急ぐ。鐘のわきを緩やかに登ると再び平らな広場に出た。ここには物資運搬用のロープウエイを横に見ながら、いよいよここからが登山道の始まりだ。

スポンサードリンク

 登山道のスタートは林間のルンルンコースだが、しばらくすると崖の縁を歩くことになる。この山はずいぶんと崩壊が進んでいるようで、自分が歩いてる道もひょっとして、と感じてしまう。これは、ヤマビルより怖い。しかも、一か所だけだが高所恐怖症の方はご遠慮下さいとでも言いたげな場所があった。一般人には問題なくても、自分は震える。
 そんな緊張する場面を通過すると、再び林間の緩やかな山道に入り、程なくして山頂に到着。残念ながら眺望が望めるタイプの山頂ではなかった。(でも、自分はあまり気にしないタイプ)
 山頂到着が9時40分だったので、ここまで4時間ちょっと。久しぶりに長かった。

登山道スタート
ちょっと怖いんですけど
すぐ崖なんですけど
ふつうの山頂

 山頂かさ先にも道はあるが、看板には「台風の影響でそれなりの危険を伴います」と書いてある。「それなりの危険とはどういう危険なのだろうかと妄想してみるが、登山道ごと崩れて谷底に落ちていくイメージしか湧かないので自重する。というより、そもそもそっちに行く予定はない。

 20分ほど休んで下山開始。途中で鹿の写真などを取りながらゆっくり下り、お寺の境内も見学。お寺には静かで、若いお坊さんがひょいと顔を出してきたので挨拶したくらい。一通り眺めてから再び参道を下る。下りとはいえ、来るときに3時間かかった道だから2時間はかかるだろう。

けっこうな山の上なのに、広い

 下りをとぼとぼ一人で歩いていたら、突然一人の若者(ジャージ姿)が駆け下りてきた。「危ないなあ、こんな場所で走っちゃだめだろうが。」と毒づきたくなったが、よく見るとさっき挨拶したお坊さんだ。もしかしてこれは修行なのだろうが。千日回峰行的な何かなのだろうか。それにしてもずいぶんモダンな格好で駆け下りるものだ。
 若きアスリートお坊さんは、参道に点在する社の類のひとうひとつに手を合わせながら駆け下り、やがて姿が見えなくなった。

 再び一人になり、ヤマビル警戒区域では自分も速足で進み、13時過ぎに駐車場に到着。かなり疲れた。とりあえず体をチェックするが、ヤマビルを発見するには至らず。ふう、助かった。これは、比較的寒い気候だったのが幸いしたのかもしれない。
 駐車場から歩いてすぐのところに「白糸の滝」なるものがあるので、それを見学してから次の目的に出発した。それにしても、「白糸の滝」というのは日本に何本あるのだろうか。「日本全国白糸の滝めぐり」なんて企画で動いてる人もいたりするだろうか。いや、こんな想像をした時点で、きっと誰かが実行していると確信する。

白糸の滝
スポンサードリンク