昨夜は友人と別れてから秩父駅近くの道の駅で一泊。こちらの道の駅には湧水が汲めるので私のような登山旅行者には有難い場所。(でも夜には止まってたから、機械を通しているのだろうとは思われる。)

 そして23日朝、駐車場のキャパが心配なので早めに登山口に向かう。道の駅からは20分程度の距離で、5時半には到着した。幸い駐車スペースにゆとりはあるが、既にかなりの数が停まっていた。これは早く出て正解だったようだ。
 5時40分スタート。最初の30分は川沿いの普通の道をなだらかに登る。川の水の影響だろう、かなり削られている場所も見られる。でも危ない場所はない。分岐まで来たが、登りは直登して帰りに迂回コース(シラジクボ経由)で降りてこようと思う。

スタート
結構やられてる
こういうの、なんとかして欲しい
十五丁目(いくつあるのかわからず)

 分岐から20分ほど登ったところに沢があった。ここにはペットボトルが散乱していて「なんじゃこりゃ汚いなあ」と一瞬思った。しかしこれには意味があり、「トイレ用にできたら上まで運んで下さい。」ということらしい。行程もそれほど長くはないので1本だけ協力。2リットルちょっとくらいのボトルを手に持って先に進む。

水場?
山頂まで運べとね
1本だけ協力

 こちらの山道には「〇〇丁目」という番地の石標が次々に現れ、どこまで来たのか分かり易くて良い。残念なのは、いったい何丁目まであるのか知らないということ。(結局五十を超えてた)
 道はジグザグに緩やかに登るので何ら苦しいことはないが、如何せん水が重い。途中で何度も右手から左手また右手と持ち替えて進む。(若干後悔している自分がいる。)それでもおよそ1時間で山頂直下の平坦地(ペットボトルのゴール地点)までたどり着いた。山頂部とは思えない立派な社があり、途中の石標と併せて考えるとかなり由緒ある山だと伺える。

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傾斜は緩いが水が重い
ようやく来たか(五十一丁目)
ペットボトルの終点
良いことしたぜ

 早速水を所定の場所に注ぎ入れてお役目は終了。あとは身軽になった体を山頂に運ぶだけだ。社からは5分程度で本当の山頂に到着。生憎雲で下界は見えないものの、美しい雲海が広がっている。今日はお湯を持ってこなかったのでバーナーで湯を沸かしてカフェオーレ(当然インスタント)を頂く。もちろん買ってきたパンも。

雲海がきれいだ。ちょっとだけ遠くの山も見えた。

 武甲山は石灰岩質の山で、鉱山資源として十分に活用され過ぎたようで、山の半分は削られて既に存在しない。山頂部のすぐ先は断崖で、むきだしの石灰岩の壁がそこにある。山としては痛々しいが、その結果山頂からの景色が良くなってしまった側面もあるだろう。麓に点在する関係プラントも自然破壊と言えばそうだが、日本の発展の一翼を担っていたわけだからある意味感謝しないわけにもいかず、やや複雑である。
 救いは、登山口から山頂までの道に開発の匂いが一切しないことだろう。片側ではどんどん山が資源として削られ活用され、もう片側は信仰の山として古の面影を留めている。ある意味見事な棲み分けといえる。

 帰りは別コースと考えていたが、山頂部のトイレそばにも空のペットボトルが置いてあり、沢まで戻してくれという。それならこの際協力しましょうと理由をつけて元の道を戻ることにした。空のペットボトルなど重さが無いに等しいので、リュックの側面に2つずつ(合計4つ)ぶら下げて帰路につく。
 途中登って来た人たちから「すごいですねー」と褒められる度に「いえ、持って上がったのはひとつで、上にあった空ボトルを運んでるだけで。」と説明するのがやや面倒ではあった。

 無事に空のボトルを返却し、9時50分に下山。車に乗って驚いたのは、車が道路にずーっと遠くまで縦列駐車してあったこと。かなり人気のある山であることは十分伝わった。恐るべし武甲山。
 

下りてきて撮った武甲山(鉄柱じゃまっ!)
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