ポツンと一台
ヒュッテはコロナで閉鎖中

 まだ6月なので山開きしていない所が多く、順番がぐちゃぐちゃになっている。昨日は納沙布岬で最東端証明書をもらい、そして今日は天塩岳。効率が悪いにもほどがある。
 昨日の夕方、登山口に到着した時は誰もいなかった。ヒュッテも閉鎖してるしキャンプ場も使用禁止。(北海道でキャンプ・・怖くないのかな)誰かくるだろうと思っていたが、結局広い駐車場にポツンと一台。翌朝も人が来る気配なし。正直言うと、その日の先頭を歩くのは好きでない。誰かが先に行ってクマを追い払い、蜘蛛の巣を取ってくれた後が好き。4時過ぎには起きて準備して誰かが来るのを待っていたけど、とうとう我慢できなくなって6時に出発。完全に一人だ。

沢沿いの道を進む
ビビってます
道そのものは楽しい

 この山域にはクマが出るらしいので、鈴を鳴らし、手にはスプレーを握りしめて進む。スタートは沢沿いの道を進むので高低差はない。時々橋を渡り、右岸と左岸を交互に歩きながら連絡道分岐まで進む。
 6:30、連絡道分岐に到着。ここに立つ標識の柱、削れてるんですけど誰がやったんでしょう。結構震えます。もしかしたらこの地が人生最後になるかもと覚悟しながら今度は尾根に向かって登り始める。雪は既になく、細い道を進む。さすがにこの登りでは熊スプレーを手に持つことはできない。何も出ませんように。

ねえねえ、誰が削ったの?

 7:10、尾根に出た。ここからは多少の雪渓が残っている。でも谷の雪ではないので踏み抜くことはないだろう。所々に鹿の足跡が見える。でも、怖いあのお方のものはない。やや急な斜面(といって急登ではない)を登ると、道はなだらかで、遠くに山頂と避難小屋も見えてくる。視界が開けるとクマの心配もなくなりひと安心だ。道端にはいくつか花も咲いている。

遠くに山頂 手前に避難小屋
チシマザクラ
ミヤマキンバイ
避難小屋

 8:45、避難小屋に到着。中をのぞいてみると、なかなか良い雰囲気。最初から一泊の予定で来るのもたのしいかもしれない。(HPによれば無料とのこと)トイレも立派。先は長いので避難小屋では休まず、山頂を目指す。ここまでくればもはや急なところもなく、ハイキング気分で歩ける。
 9:30、山頂に到着。少し雲が出てきた気もするが何とか持つのではないかと思う。ここでパンと豆乳の昼食。ガイドによればここはナキウサギの生息地という。しばらく静かに待ってみたものの、この日は結局見られなかった。

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前天塩岳に向かう

 山頂からは一度下り、登り返して前天塩に向かう。右側の斜面がやや急だが、滑落しそうな場所はない。1か所だけ怪しい雪渓があったが、問題なく通過。そして前天塩を見上げたところで、人影が見えた。わーい! 本日初めて見る人間だ。いや、初めて見る生き物だ。どうやら逆コースを登って来たようだ。ということはどこかですれ違うだろう。

 人を発見したら少し元気が出て、山頂手前の坂も難なく登り、いよいよご対面。と思ったら、誰もいない。既に下りてしまったようだ。ということは、彼は天塩岳には行かず前天塩で終わりということか。

人、いた!
どんな人かな、わくわく
山頂に人影なし 逃げられた

 前天塩で少し休憩して下山開始。最初の下りが一番の難所だった。砕石がガラガラ崩れ、バランスを取るのが難しい。慌てると必ず転倒する坂だ。ゆっくりゆっくりと、足を踏ん張って下る。でも、林に入ってからは快調に進む。たぶんさっき見かけた人が通った直後だし、熊も出てこないだろうと勝手に解釈して安心する。

下山開始 奥の尾根はさっき歩いたところ
転びそう
後半は快適な道が続く
ゴール近し

 13;30、駐車場に戻って来た。結局クマに出合うことはなかった。駐車場からはちょうど車が一台走り出したところで、結局どんな人だったのかわからずじまい。結局最初から最後まで一人だった。まあ、無地に戻れたから良しとしよう。

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