東京の友人との登山も今日で最終日。斜里岳をクリアして女満別空港に送り届ければ自分の任務は終了となる。午前5時に宿の前で朝食をとって出発。清里から登山口までは車で20分程度なので、今日は楽ちんだ。とはいえ、夕方のフライトに間に合わないと大変なので、少し早めに動きだす。

 登山口までは途中砂利道もある。でもパンクするような荒れた道ではないので普通車で大丈夫。駐車場に着くと、数台車が停まっている。既に何人か登り始めているようなので、先に蜘蛛の巣を払ってくれている筈だ。有り難い。なぜか車の上に帽子がひとつ置きっぱなしになっている。慌てて出発したのだろうか。今日は天気が良いから大変だろう。(その後、山頂で帽子の持ち主に出合う)
 6時、登山口である清岳荘からスタート。新道と旧道の分岐である「下二股」までは沢沿いの広い道なので登山というよりは散歩に近い。ここまでおよそ1時間。しかし、ここから上二股までの旧道コースはほぼ沢登りコースであった。水のなかをジャブジャブ歩く場所はないが、水が流れるすぐそばの岩場を登るコースは楽しい。もしかして沢登り好きかもと思ってしまう。いくつかの場所では木の枝にしがみついて体を支えたり、油断すると枝に頭をぶつけたりする。(後日、かなり傷ついていたことに気づく。)下二股から上二股までは1時間30分。(コンパスのコースタイム通り)

最初は広い車道?を歩く
1時間歩くと登山らしくなる
沢沿いを歩く
転ばないように注意
やっと上二股

 上二股から沢の水はなくなるが、稜線のコルまで「胸突き八丁」と呼ばれる急登が待っている。ここは30分でクリアする。今日は二人とも体調が良いようだ。最後は崖にビビりながら稜線を進み9時半に山頂に到着した。

 今日は天気も良く空気も澄んでいて、オホーツク海がきれいだ。遠くに羅臼岳や国後、納沙布岬まで見える。内陸の方に目をやると、昨日登った雌阿寒岳だけでなく、その奥に雪を被った大雪山系まで一望だ。山頂にいた地元のおじさんによれば、こんなにきれいに全域が見渡せるのは珍しいという話だった。こんな幸運が自分に訪れるとは思えないので、きっと同行したバディの神通力であろう。

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稜線でた
エゾノツガザクラ だな
もうすぐ山頂
オホーツク海がきれいに見える

 9時50分、しばらく滞在したい気持ちをぐっと堪えて下山開始。帰りは新道の稜線を歩く。こちらはハイマツの中を景色を見ながら歩く気持ちの良いコース。旧道と新道はそれぞれ違う趣の楽しさがあるので、これから斜里岳に挑戦する人は両方歩くことをお薦めしたい。しかし、旧道の下りはかなり危険なので、「旧道→山頂→新道」の一択だ。地元のおじさんによれば、オホーツクを眺めながら稜線を歩く「三井コース」も良いという。しかし、強風時の尾根コースは厳しいので天気次第だろう。

稜線を進みます
振り返ると、雲一つない青空と斜里岳

 尾根コースの途中には熊見峠という場所がある。名前の由来はわからないが、熊を見た人がいたことは間違いないだろう。こあたりからハイマツがやや高くなり視界が遮られる。やがて急登をジグザグに下って下二股に合流。時計は12時少し前。ここまでくれば登山は終わったようなものだ。あとは車も走れそうな(実際、昔は走っていたのだろう)道を1時間歩くだけだ。

 午後1時前に駐車場到着。あとは女満別空港に移動するだけ。途中温泉に立ち寄り、ゆとりをもって空港に到着。これで「道東の百名山・三座踏破ツアー」が無事終了した。まずは二人とも枝に頭を打ち付けた以外は大きな怪我もなく、役目は果たせたと言えるだろう。
 ここから再び「自分の日常」に戻る。次の目的地は利尻。明るいうちに車を走らせ、紋別のベイエリアオートサイトで一泊。(ここで寝るのは2回目)ここにはちょっとした炊事場があり、水も補充できるので好きな場所のひとつ。

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