4月17日

 前日は、ほぼ15年ぶりのかつての同僚に会い、彼に家に泊めてもらって食事会。朝、たくさんのお土産(ほぼ山の食料)を頂き、傾山に向かって車を走らせた。300キロあるので、今日は珍しく途中まで高速道を使う。春満開の九州だが、様々な行事がコロナの影響で中止になっている。感染防止はもちろん大切だが、もう少し現実的な対応ができないものかと思ってしまう。確かに最初はビビったが、既に日本中に蔓延してしまった今、もはやインフルエンザと同様の扱いで良いのではないかと思ってしまう。(あくまでも個人の見解です)

 夕方4時過ぎに西山登山口に到着。今夜は林道のやや広いスペースで寝る。もちろんこんな所で車中泊する人が他にいる筈もないが、慣れてしまえば静かで良い。それにしても車中泊のシェルター感というか、安心感は絶大だと改めて思う。

ここで寝る

4月18日

 5時30分スタート。早朝であることと、今日は月曜日であること、そして比較的マイナーなコースであるためか、スタートの時点で登山口には誰もいない。このコースは、傾山の核心部と言える岩領ルートを通らない、コースタイムも短いお手軽ルートである。ガイド本を見ると「傾山は危険なので一人では行かないように」をあるが、この西山コースを通ればそれほどでもないらしい。実際「これはダメだ」と思えるような場所もなかった。それでも所々にロープの岩場やガレ場があり、険しい山の雰囲気が少しだけ感じられる。斜度もそこそこあって楽な道ではない。

急でした
稜線でた

 7時50分、稜線に出た。ここから斜面は少し緩くなる。春とは言え、山にはまだ緑がない。その分視界は良く、少しずつ山頂部が見えてきた。うん、確かに険しい雰囲気がある山だ。

 9時10分、登頂。結局最後まで恐ろしい場所はなかった。思えば去年の今頃も九州にいた。祖母山の登山道で地元の人に「傾山と大崩山は半端なく恐ろしいから、十分気をつけて下さい」と言われて諦めた。あの時は5月に娘の結婚式があり、その直前に滑落事故など起こせば、結婚式そのものを吹き飛ばしかねないなあと自重したのだった。幸いコロナ禍の結婚式は規模を縮小しながらも無事終わり、今なら滑落しても恨まれないだろう。そう思って今年再挑戦に来たのだ。しかし、実際こちらのコースを登ってみると、そんなに狼狽えるほどでもなかったなあというのが正直な感想だ。もちろん、逆からの険しいルートはこんなものではない筈だし、そっちを登らなくちゃ傾山の醍醐味は味わえないのかもしれない。(その経験は、おそらくしないで終わるのだろう)

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 帰りは元のルートを引き返し、12時丁度に下山。終わってみれば6時間少々の手軽なコースだった。登山口から車で30分くらいのところにある「木浦名水館 唄げんかの湯」で入浴。地元の人と風呂でしばらく話し込んだが、小ながら歴史のある集落のようだ。施設の前には湧水はあり、ここで空のペットボトルに充填する。

風呂入ります
九州にもトトロの森があった

 次は大崩山の登山口に移動。Webの情報では大崩山荘からのルートに比べ、反対側の上鹿川コースが危険が少ないとある。大した技術もないソロ登山者としては、当然そちらを選択する。しかし、登山口への林道がかなり荒れていて、途中まで突っ込んだものの諦めて戻ってきた。険しいルート側に移動しようかとも思ったが、元々が「8割行けばいいじゃん、全部いかなくてもいいじゃん」という意識で各地を回っているので、その基本理念に立ち返り、大崩山はパスする。まあ、今回の九州は友達に会いに来たついでの山登りだし、メインは四国中国地方なので、そっちに移動しようと思う。数年後、「もうほとんどの山に行ったなあ。ひとつ大崩山に再挑戦するか。」という気持ちになったらまた来よう。

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