前日は快晴の暑寒別岳を増毛側から堪能し、「翌日は雨竜町側からだな」と移動したものの橋の工事で登山道に行けないことが判明。すぐに切り替えて旭岳の麓に車を走らせた。天気が良いことがわかっているなら、どこかに登らないと勿体無いですから。

 途中、麓の「大雪旭岳源水公園」に立ち寄り水を大量に補給してから登山口へ。(無料で水が汲める場所は貴重です) 夕方5時前には「旭岳ビジターセンター」の駐車場に到着し、静かそうな場所を確保した。センターがまだ開いていたので少しだけ見学。そして車内でラーメンを煮て食う。車中泊の調理についてはいろいろな意見や苦情があるが、自分は基本的に車内で全てを済ませる派です。できるだけ迷惑にならない配慮は必要です。(カセットコンロ使用なので、引火とCO中毒には気をつけてます)

 そして27日の朝がきた。

今日は日曜日である。正直言うと「人が多い百名山は平日、あまり人気のなさそうな三百名山クラスは休日」が理想パターンだが、天気と立地の順番もあってそうそう上手く事は運ばない。今日は「観光地を満喫する登山」をイメージしよう。

ロープウエイもそこそこ満員
姿見駅のテラスから
雪渓残ってます

 始発は逃したが9時前のロープウエイに乗り、姿見駅に着いたのが9時10分。天気も良く旭岳が前方にくっきり見えている。所々に雪渓も残っていて、なかなか良い雰囲気である。山頂に行けばきれいなゼブラ模様が見えるかもしれない。今日は距離も短いので急ぐ必要もない。(と言うより、急いだことがほとんどない)たくさんの登山客のペースに合わせて進むとしよう。

 30分ほど遊歩道(半分くらいは雪渓)を歩き、石室のある姿見展望台で最初の休憩。池に旭岳の姿が映るはずなのだが、その池はまだ雪の中。水を飲んで少しだけビスケットを食べたら登り始める。ここからは尾根道なので標高が上がっても雪渓は存在しない。普通に地面の上を歩く。

姿見展望台
池はまだ雪の下
旭岳石室

 ここからは標高差500mのほとんど直登コース。基本的に火山なので、道には溶岩などの噴出物がごろごろしており、風化してじゃりじゃり、ザシザシの所がほとんどで歩き易いとは言い難い登山道である。油断すると転びそうなコンデションで、実際転んでる人もいた。でも、すぐそこに山頂が見えることもあり、軽装で登ってくる人もかなり多い。これは、有名でしかも難易度の低い山(ロープウエイでかなり上まで連れて行ってもらえるタイプ)でよく見られる光景。「山を舐めちゃいかんよ」と思いもするが、これだけたくさんの人がいれば少々のアクシデントがあっても命を落とすことはあるまい。(転落したら別だけど) その意味では、楽しんでるんだから良いとも言える。でも自分はしっかり普通の装備で登る。(これは、体力維持の意味合いも大きい)高度を上げると、大雪山系の山が見えてくる。残雪もきれいに残っているが、最高のゼブラ模様というには少々物足りないかな。でも青空と黒い山肌と白い雪のコントラストは美しい。

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さあ、登り始めよう
油断すると転びます
こんな感じ
微妙にゼブラ模様っぽい
もうすぐだ

 11時過ぎ、ようやく山頂にたどり着いた。距離も時間も短かったが意外に疲れた。山頂には多くの登山客が思い思いに写真を撮っている。自分も記念に1枚お願いし、そして多くの皆様のカメラマンとなる。山頂に来ると大雪山系東側がどこまで続いている。黒岳を経て反対側の層雲峡までの縦走をする人もかなりいるようで、雪に覆われた斜面を下っていく。(ここ、下るの怖そう)所要時間は8時間。決して不可能なコースではないが、自家用車組は縦走は難しいのです。ここは諦めるしかありません。

山頂、広い

 それにしても虫が多い。好天で気温が上昇したこともあるのだろうが、なぜか山頂が一番多い。ここで風景を見ながら昼食(パン2個)と思ったが、あまりの鬱陶しさに負けて下山。途中の道端で摂ることになった。

 下りは登り以上に緊張するが、幸い転ぶこともなく姿見まで降りてきた。(途中、スキーをかついで登る人も見られたが、いったいどこで滑るのだろう)12時半、ロープウエイ姿見駅に到着。スタッフが何やら自然を守るキャンペーンをやってたので少しだけ募金箱に入れたら絵葉書をもらった。少し良いことをした気分になって登山終了。ロープウエイを降りたのは1時過ぎだった。

 百名山にして北海道最高峰の旭岳は、夏場はハイキング感覚で登れる手軽な山だった。時間もロープウエイを含めて4時間少々。日帰りにすいっと行って来るには良い山だ。(もちろん山は山だから油断は禁物だが)

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