時々、「はて自分はいったい何のために山登りをしてるんだっけ?」と感じる時がある。「景色を楽しみたいのか、運動したいのか、たくさん登ったと自慢したいのか、趣味を通して友達が欲しいのか。山登りじゃないとダメなのか、無理をしてないのか、普通に家にいるほうがいいのか。」と考える時がある。特に近畿から四国中国地方の山々は自分にとって馴染みが薄く、「なんでここにいるんだろう?」という気持ちになって自分で笑っちゃうことがある。きっと「なん百名山に登る」というのも、「世界遺産は見てこなくちゃ」というのも、自分に基準がないからそこに頼るのだろうね。でも、多くの人が賞賛している場所を先に見ておくというのも自然なことだし、、、(哲学者じゃないです)

御在所岳

 さて、藤原岳から少しずつ南下し、これからどんどん紀伊山地に向かっていく。今日は武平峠から御在所岳に登る。基本的に使えるリフトやロープウエーは使う派だが、さすがに山頂までダイレクトに行かれてしまうと「登ってきました」と自慢はできないので(結局そこかっ)、このコースを選んだ。駐車場が無料であることもポイントが高い。

 午前5時20分出発。数台の車中泊グールプの中で、どうやら自分が一番早いようだ。(蜘蛛の巣ありませんように。)少しだけ車道を歩き、トンネルの手前から登山道に入る。ここから道路と並行にトンネルの上部まで登るので、序盤から斜面は急だ。登り切るとそこが本来の武平峠。まっすぐ進めばトンネルの反対側に降りていくが、分岐を右に行けば御在所岳だ。地図では密集した等高線に直角に道が切れているので、かなりの登りになるはずだ。

武平峠

 登りも大変だが、何ヶ所か尾根が風化し崩れている。いわゆる「ここで転んではならない場所」で、自分が最も恐れる場所だ。そんな(自分にとっての)難所を過ぎると、岩場もあり、景色もよく、そこそこ楽しい路だ。

 峠から40分ほど頑張ると、道は平らになる。この山は、山頂部に来ると緩やかな斜面が広がっている。地図にはスキー場と書いてあるが、斜面の雰囲気はファミリーゲレンデという感じだろうか。(後にwebで見たら、上級コースもあるようだ)

怖い場所あり
誰か立ってる
山頂部に入ると平らになる
山頂

 6時20分、山頂に到着。残念ながら霧で周囲の景色は何も見えず。(まあ、いつものことよ)山頂では逆方向から登ってきた若者と話をする。昨日からなんとか山となんとか峠を越えて歩いてきて、これからさらにどこそこまで向かうつもりで明日には下山すると言うとったが、土地勘もないので彼のコースは理解できない。少なくとも、自分なんかより格段の上級者で、ほぼ自然と同化して生きていける人のようだ。

 眺望もなく霧で寒いので、コーヒーだけ飲んですぐに下山、下りも崖から転げ落ちないように緊張しながら歩き、7時40分下山。かなり早いので次の山に向かい、行けそうなら今日登ってしまおう。

倶留尊山

 武平峠から曽爾高原までは80キロ程度の道。当然高速などは使わないので時間はかかる。車を走らせると「甲賀市」の標識だ出てくる。そうか、猿飛サスケの故郷がここなのだな。白土三平の「サスケ」は小さい頃に読んだ漫画。もう一度通して読んでみたい気になる。しばらく車を走らせると、今度は「伊賀市」が出てきた。このあたりを観光で訪れると面白いのかもしれない。

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お金取るのね(泣)

 10時10分、曽爾高原到着。駐車料金に800円も取られたが、まあ仕方がない。コロナ禍で打撃を受けた経済を回してやろう(実は泣いてる)

 曽爾高原は緑の草原が美しく、中央に池もあり散策するには良い場所だ。少し下の方には自然の家もあったので、日によっては小学生が野外実習で活動することもあるのだろう。いや、コロナ騒ぎが始まってから、宿泊学習も全て中止だろうか。

懐かしいオリエンテーリングのポイント
またお金取るのね(泣)

 平らな草原の遊歩道を突っ切ると、斜面を斜めに切る長い階段を上り尾根に出る。ここから奥の倶留尊山に向かうのだが、目的の山はまだ見えない。半分が森で半分が草原というおかしな山の境界部分を登り、さらに尾根を進む。ここで、「入山料500円」の看板が出てきた。これは結構高いな。富士山では1000円の協力金(任意)、屋久島の宮之浦岳に場合も1000円で避難小屋で宿泊する場合は2000円(これも任意)。屋久島の場合は避難小屋が無料なので、2000円の協力金で維持管理をすると考えれば高くはない。自分の地元の月山は200円。ここは山の規模に比べると高いなあと感じる。しかも既に駐車料金払ってるし。

 冷静に考えると、ほとんどの山は地元の登山愛好会が手弁当で登山道の下草刈りや階段の設営などを行っている。役場から委託されて多少の手間賃や材料代が支給されているところもあるが、ほとんどがボランティアである。だから、倶留尊山のようにしっかり入山料を取って登山道の維持管理をしていくというのも大切かもしれない。但し、「入山料取ってるのに道は荒れ放題じゃないか」という批判が出ないようにきちんと整備し、使途を明確にする必要もあるだろう。そこは管理者の柳原林業さんを信じるしかない。では、ここの登山道はどうかというと、可も不可もない感じかな。でも、不可でないというなら整備されてると見ていいのだろう。誰もいないのでそのまま通り過ぎても怒られないが、ここはきちんと500円入れて進む。(若干不親切なのは、駐車場あたりに「先で500円取るから小銭準備しとけ」と書いてないこと。いや、こっちが見逃してるのか?)

 尾根を進むと「二本ボソ」というピークに出る。ここからは目標が間近に見える。しかし、ここから大きく下り、また登り返すのだ。この下りと登りが一番急なところ。ガイドロープのある急登を下り、巨石の間をよじ登る。(少し大袈裟です。)

目的地は向こうの山
一度下って
また登る
山頂きた

 11時20分、倶留尊山登頂。薄曇りだが眺望は良く、かなり遠くの山々まで一望できる。(でも土地勘がないので山の同定はできない。)30分ほど山頂に滞在し、コーヒーとパンの昼食。

 さて下山するとしよう。下山といっても一度下りたらまた急坂を登る必要がある。帰りもそこそこ大変だった。二本ボソを過ぎ、料金所を通り、やがて高原が見えるところまで戻ってきた。ここからは高原と取り巻く尾根を通り、亀山といういピークを通って下山する。最後は整備された階段を降りて駐車場に到着した。13時、駐車場出発。次は三峰山だな。登山口が近いといいな。

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