石鎚山

 石鎚山をどちらから登ろうか、かなり迷っていた。温泉からロープウエーを使って鎖場を通るのが表ルートだが、隣の瓶ヶ森へのアクセスを考えると石鎚スカイラインを通って国民宿舎からのルート「土小屋コース」が手軽だ。こういう場合は大抵楽な方を選ぶのが常で、最終的にお気楽コースに決定した。前日の夕方に駐車場到着。まだ本格的な山のシーズンとは言えず、駐車場の車からすると国民宿舎の宿泊客も少ないようだ。「飛び込みで入っちゃおうかな」と一瞬気持ちが揺らいだが、ここは贅沢するべき場所じゃないと思い直し、いつもの車中泊。広大な駐車場に他の車は一台もない。

山頂まで4.6キロ(中国、韓国の人も来るのだな)

 4月20日、午前6時スタート。このコースはスタート地点が既に1500に近く、山頂までの標高差は500mしかない。さらに前半は、長い尾根を数キロ歩いて徐々に高度を上げるので、山らしい斜面はない。1時間で岩の山体の真下に来た。「ここから400m落石注意」という看板にビビる。こここだけは荒れていて、しかも雪が残る場所もある。慎重に、でも急いで、上を見上げながら進む。そしてメーンルートと合流だ。この先に「二の鎖」という崖が出てくるが、まだ雪もあるので迂回路を行きなさいという指示があった。

しばらくは楽勝な道
たまに階段
あの上まで行くのだ
確かに落石注意だな
ここ、少し怖かった
メインルートに合流

 ここまで来れば残りは高度100m程度だが、鉄の階段が続く迂回路は思いの外キツかった。ここまではほとんど平地みたいなものだったから、今日初めて登るのがここだという感覚。しかも急な階段。

8時到着(2時間)

 8時、弥山到着。神社で例の如く煩悩成就祈願を行い、ひと休みをする。そして最高峰の天狗岳に向かう。写真で見ると天狗岳への道は断崖の上で、高所恐怖の自分には無理な場所に思えた。しかしこれまでの経験上、遠目には恐ろしい道のように見えて実際は大したことないパターンが多い。今回もそのパターンに違いないと信じて向かってみた。(だって、ちょっと手が滑ったら谷底に落ちるような状況があるわけないし・・) 実際行ってみると、今回だけは写真の通りだった。弥山から天狗岳へ向かう人の写真が全て四つん這いになっている理由がわかった。これは、ミスすると本当に落ちてしまう。かなりビビったが途中で引き返すのも悔しく、そのまま頑張って天狗岳まで行った。(落ちずに行けた) 天狗岳の山頂まで来れば多少はゆとりがあるのだが、弥山から見た尖った山容を思い出すと足が震える。ここでは楽しめないので証拠の写真だけ撮って早々に退散だ。往きが恐ろしければもちろん帰りも恐ろしいわけで、かなりビビりながら弥山に戻った時にはぐったりだった。

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天狗岳に向かう かなりの恐怖
ここか最高峰
戻ります
弥山に戻る途中で渾身の一枚

 弥山の山頂はそこそこの広場になっているので、ここまで来ればひと安心。ゆっくりコーヒーを飲んで心を落ち着かせる。何人かの登山者とお互いのことを話しながら、ここで重大な情報を頂いた。「三本杭、ちゃんと行けましたよ。通行止めありますけど、1時間くらい待ってると通れますよ。」なんと! やはりそうだったか。篠山であったおじさんの情報はガセだったか。(怒ってないです。笑うだけです。)

 弥山で十分休養をとり、9時45分下山開始。鉄の階段を下り、落石の危険な岩領直下の道を抜け、あとは平坦な道をゆとりを持って歩き、11時10分に駐車場に戻った。

瓶ヶ森

 まだ午前中だし天気も崩れそうにないので、隣の瓶ヶ森にも行ってしまおう。こちらは駐車場から1周2時間弱のコースなので、今から行っても大丈夫だろう。石鎚山の駐車場から瓶ヶ森登山口駐車場までは、車で20分程度。すぐに向かえば12時前に出発できる。そうと決まればリュックはそのままで水だけ足せば良い。登山靴で運転は危険なのでそこだけは履き替えて車に乗り込んだ。

 瓶ヶ森駐車場には11時45分に到着。すぐに登山靴に履き替えて出発。歩道を少し歩くと尾根伝の道の分岐に出る。往きは男山経由で最高峰の女山に向かう。全体になだらかな山だが、男山までは急な登りがある。既に午前中にかなり歩いたものの、こちらは距離が短いので疲れる前に登りきってしまうくらいだ。12時10分、男山に到着。ここからは緩やかな登りが女山まで続く。

瓶ヶ森きました
男山へ
女山近し

 12時30分に登頂。山頂の祠には「石土山大権現女人道」とある。(最後の文字、道に見えるが違ってたらごめんなさい)昔は石鎚山が女人禁制で、ここ瓶ヶ森が女性がお参りする場所だったという。遠くに石鎚山を拝む場所というわけだ。実は今でも7月1日だけは石鎚山が女人禁制だという話。今の時代にこの風習がいつまで残るのか疑問ではある。

山頂です
さあ、戻ろう(遠くに石鎚山)

 下りは避難小屋まで下りて、そこから笹藪の草原?を歩いて戻る。駐車場到着は13時10分、あっという間に瓶ヶ森登山が終了した。

 翌日は雨の予報なので山登りはお休み。松山に下りて、友達推薦の鍋焼きうどんを食べ、道後温泉に入り、松山城を見学して過ごした。たまに市街観光するのも楽しい。

松山城
道後温泉もしっかり経験
「ことり」の鍋焼きうどん(お稲荷さん付き)
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