山頂だけ行けば良いピークハンターのつもりはないが、それでも幾つかのルートがあればできるだけ最短の道を選ぶ。たいていの山は山頂に近づくほど眺望も良いので、最短ルートでも十分に楽しめるのだ。しかも自分はへなちょこである。わざわざ苦しい道を選ぶ理由はない。今回も大井川から井川湖に向かい、そこから百畳駐車場まで車で登り登山するつもりだった。それなら標高差250mでコースタイムは3時間を切るお手軽な山になる。

 しかし、井川湖まで登ったところで林道は通行止め。これは反対側の登山口から登るしかなさそうだ。切り替えて翌日は大井川鐵道に乗って観光し、26日に梅ケ島に移動し27日朝に登山開始となった。

 27日5時45分、登山口の駐車場に車を停めて登山開始。地図では駐車場はさらに先なのだが、通行止めの標識が出ているし他の車もあるので間違いないだろう。ここからしばらくは川沿いの砂利道を歩く。しばらくすると本来駐車場だった場所に出るが、度重なる増水の影響だろうかなり荒れている。

自動車はちょっと危険かな?
登山口

 20分歩いたところでようやく登山口に出た。ここから小さな沢に沿って道が切れている。途中、巨大な石段が出て来て何だろうと思ったが、きっとワサビ田の跡だろう。そういえばここは静岡、ワサビ田があっても不思議ではない。

渡渉(丸木橋あり)
ワサビ田跡と思われる
水場あり

 7時20分頃に水場を通ると沢とお別れになる。あとは普通の登山道でじわじわと高度を上げていく。途中いくつかの休憩スペース(ベンチ)があり、そのタイミングで水を飲む。まだ新緑には早い時期で、木立の間から遠くに富士山も見えて来た。「富士山ずいぶんデカいな。そうだここは静岡だった。」などと思いながら進む。道は明瞭で道迷いはない。しかしかなり荒れている場所もあって注意が必要。滑落しても命に関わるほどではないが慎重に進む。

 山頂部の肩まで来ると木道が出てくる。その木道と緩い階段を10分ほど歩くと頂上に着いた。時刻は9時5分。往路は3時間20分だった。山頂は広くて見晴らしも良く、大変良い山である。天気も良く富士山も南アルプスも綺麗だ。ここでいつものように早い昼食をいただく。

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平らになってきた
山頂

 しばらく山頂でゆっくりしていたら、逆方向から1人やってきた。大谷崩を登ってきたという。そちらの状況を聞くと、特に危険はないとのことで、せっかくだから復路はそちらのコースにする。(因みに、登山アプリ「Compass」には大谷崩を下る周回コースで登録している。そうしておけばどちらのコースで下山してもルート上にいることになる。いざという局面を考えるとルートは考えられる一番遠くまで設定しておいて、状況に応じて短縮させる方が安全だと考えている。)

 9時40分山頂をスタート。しばらくは稜線歩きになる。そこそこ木もあるのでカラッとした眺望はないし、小さな登り返しがいくつもある。それでも基本的にはやや下り基調なので苦しい道ではない。(でもけっこう長い)

稜線ぽくないけど稜線歩き
少し怖いとこあり(個人の感想です)

 10時40分、新窪乗越に到着。ここからいよいよ大谷崩を下る。一応道は切れているし所々にマークもあるが、足元が不安定だ。一歩踏み出す度に砕石を崩し、数十センチずり落ちながら下る。これは登りは大変だろうな、下りでよかったな、などと思いながら最大限慎重に足を運ぶ。崩れる砕石の上で踏ん張る脚はかなり疲労する。油断するときっと尻餅つくなあと思ったが、幸い無事に谷を降り切った。ここまで40分かかった。

 斜面が緩くなり、少し木立も見えてからはひと安心。巨石の河原のルートは若干不明瞭だが問題なく下る。11時50分、舗装道に着いた。これで登山はひとまず終了となる。

大谷崩を下る
道がよくわからん
無事帰還

 しかし、ここから長い長い舗装道を歩いて駐車場まで戻らなければならない。下りとはいえ4キロの道のりは疲れた体にはきつい。しかも暑い。途中で突然現れた水場に助けられながら心を無にして足を動かし、13時少し前にやっと駐車場に戻った。

 当初の計画通り百畳駐車場が開いていれば3時間弱の行程だったが、結局7時間の山行となった。でも、お陰で大谷崩をこの目で見て歩くこともできたし、これはこれで良かったと言えよう。

 さて、次の山だ。近くにはまだ足を踏み入れてない南アルプスがあるが、4月末ではまだ雪山であり自分の力量で挑んではいけない山々だ。ここは無理をせず南関東に移動し、まだ行ってない所を登ることにする。次は天城山かな。

東海道を通る度に気になってた健康ランドで1泊
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