栗駒山

 船形山登山を終えて大滝駐車場を午前中に出発。再びパンクを恐れながら悪路を進み、なんとか無事に舗装道路まで出てきた。途中のスーパーで明日の食料を買ってまっすく栗駒山に向かう。急いで行けば1時くらいには着くが、今日はもう登る気もないのでゆっくりと移動する。途中で見つけた「栗駒山麓ジオパークビジターセンター」にも寄って、しっかり見学した。それでも「いわかがみ平」に着いたのは3時過ぎで、あとはすることもなくレストハウスで時間つぶす。レストハウスが閉じた後は、寒くなってきたこともあって車の中で過ごした。

 翌26日、4時起床。そして4時半出発。4時間弱の行程だが、天気がとても良いので雲が湧く前に登ってしまう。もうひとつの理由は、午後から五葉山にも行けちゃうんじゃないかという淡い期待を持っていること。(でも、山行自体は無理して飛ばしたりしない)栗駒山は紅葉で有名な山であり、秋になると山全体が紅く染まる光景は写真でしか見たことがないが圧巻だろう。でも今は6月、新緑の山だが、これはこれで良いはずだ。というより基本的に緑の山が好きかも。

道は少し濡れてます

 今回は、まっすぐ栗駒山に行くのではなく、東栗駒山を通る周回コースにする。東栗駒から見る栗駒山も素敵ではなかろうかという期待もある。きれいにコンクリートで整地された直登コースに比べると、こちらは足元も良くない。おまけに先々日の雨の影響がまだ残っているようで、ドロドロの場所もある。しばらくすると沢に出た。しばらく沢沿いに登り、目標のロープがある場所から渡る。幸い水量も危険なほどではなく、難なく渡り、再び林の中を進む。とはいえ、そろそろ樹林も低木となり、目的の山が遠くに見えてきた。天気がとても良いので嬉しい。

沢に沿って進み、そして渡る
東栗駒山 景色良すぎ

 それにしてもこれは自分の性格なのか、それともみなさん同じなのか、天気が良いと山頂まで急いでしまう。山の天気が変わりやすいことも十分理解しているから、「頼む、山頂に着くまでこのままでいてくれ」と願い、そして早足になる。

 5時40分、東栗駒山に着いた。ここから見える栗駒山は美しい。日光が東の面に当たっているから逆光になることなく、キッパリと山が見える。うん、こちらを選択して正解だった。

 東栗駒山からしばらくは馬蹄形のなだらかな稜線を歩く。ここはほとんど負荷がかからず、視界を遮るものもなく、素敵な道だ。もちろん雷雨の時は隠れる場所がないので地獄だろうが、今日は極楽そのものだ。そして栗駒本山の肩口に迫ったところから再びきつい登りになる。ここからは階段だ。(階段がきらいな人も多いが、自分は特に気にならない)最後はけっこうしんどかったが、6時半に登頂。ちょうど2時間かかった。

少しずつ栗駒山に近づく
最後、キツい
到着

 山頂から眼下を望むと雲海が広がっている。その雲海から鳥海や月山が顔を出している。その奥に見えるのは、位置関係からすると朝日や飯豊だろうか。北に目を向けると岩手山の山頂が手前の山並みから顔を出している。ここには初めて来たが、これくらい周りの山が見渡せる日はそうそうないだろう。たまにはこういう良い日に当たることもある。

鳥海見えてる
月山とその奥に朝日、さらに奥の左手は飯豊・・かな?

 15分ほど山頂の景色を堪能したら、あとは下山だ。帰りはいわかがみ平までまっすぐのルートにする。こちらは階段、火山灰性の平坦地、そして最後は舗装した道になるので危険はほとんどない。しかも振り返ればいつも栗駒山が見えている。こちらのルートもまた良いものだ。きっと秋になるとこの道は大渋滞になるのだろう。その意味では登山客の少ない初夏も悪くない。

 特に急いで走ったりしたわけでもないが、下りはノンストップで軽快に歩き、7時半には駐車場に戻った。トータル3時間の登山だったが、たった3時間とは思えない充実した楽しい山だった。

下山途中の看板でパチリ

五葉山

 栗駒山を下山したのが7時半。いくらなんでもこれでおしまいというのは早すぎる。そこで、「ひょっとしたら行けるかも」と考慮に入れていた五葉山に向かってみる。ナビをセットすると2時間以上かかるから、スタートは11時になりそう。1日に2座を登る時は「基本的に11時を過ぎたら先に進まない」という自分ルールを破るので、ここは現地に行ってから慎重に考えるとしよう。

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 10時50分、赤坂峠の登山口に着いた。見れば年配の男性が登り始めている。同じ時間帯に一人でも仲間がいれば安心だ。よし、登ろう。(これは非常に危険な思考です。先行する登山者の力量も目的地も、この山の経験値も何もわからないのですから。)

 登山道はとても歩き易い。林間コースなので景色が良いわけではないが、傾斜がほぼ一定で急登もない。眺望を楽しむダイナミックな登山も爽快だが、自分は林間コースが結構好きなので、これはこれで良い。

歩き易いぞ

 10分歩かないうちに「一合目」の看板が出てきた。この計算なら山頂まで100分だなと大雑把な見込みをつけて進む。その予想が正しいかどうか二合目で点検しようと進むが、なかなか出てこない。さては見逃したか、それともそもそも設置されていないのか、もしかしたら二合目は遥か先なのかと思いを巡らしながら進む。その後も標識を見つけられないながらもペースを維持して歩いていたら、古い鳥居が出てきた。鳥居をくぐってさらに登ると、いきなり五合目の看板。時間は11時53分。どうやら一合目で予想したペース通りに進んでいるようだ。(ちなみに、下山時に二合目、三合目としっかり看板を見つけた。なぜ登りで見えなかったのか不明)

林間コース好き

 八合目の看板を過ぎると、傾斜が緩くなる。おそらくなだらかな山頂部の縁まで来たのだろう。時計は12時20分、しっかり一合10分のペースだ。そしてここから石楠花の木が出てきた。残念ながら石楠花の花は7月上旬から。(帰宅して調べたら、ツツジの群落が5月下旬から6月上旬、シャクナゲの群落が7月上旬から中旬が見頃であるとのこと、その端境期に来てしまったのでどちらの花も見ることかなわず)

石楠花荘に水場あり
日枝神社 山頂はすぐそこ(ガスってて雰囲気悪い)

 九合目の看板を過ぎるとすぐに山小屋が見えた。「石楠花荘」という名前も「この山の売りは石楠花です」と強調している。もう少し時期をずらせば良かったか。
 山小屋の脇には水場があり、そこそこの水が出ている。水場があるというのはとても有難いことだが、見方を変えればもっと高い場所が存在する証でもあるので、まだ激しい登りがあるのだろうかと少し怖気付く。しかし、その後もじわじわと上りはするものの大した傾斜もなく日枝神社に着いた。ここも十分山頂の雰囲気を醸しているが、さらに400mほど歩くとようやく山頂だ。山頂の看板を写真に収めて時計を見ると12時45分。まずますのペースで登れた。

 しばらく山頂で休んでいると、さらに奥から十数人の団体さんがやってきた。これは心強い。団体さんのペースはきっと自分より早くないだろう。ということは今山頂にいても問題ないと言える。安心したので奥にある最高点まで行ってみる。山頂の看板には「最高点はあっち。ここは東日本の地震で低くなった。」と書いてある。東日本地震では、沿岸部は1m以上沈下した場所もあるが、山域部はおおむね数センチから十数センチの沈下に留まる。そんな中で五葉山の三角点だけはマイナス48センチと飛び抜けて大きな変化となっている。(看板の表示とはズレているが国土地理院による)いずれにしても、地震以前から最高点はさらに先だ。400mほど歩いて日の出岩という最高点をいちおうタッチ。何か字が彫られているが、正式なものかいたずらなのかよく分からない。

看板からさらに進んで最高点へ
最高点の日の出岩(少し晴れてきた)

 結局、山頂付近で1時間ほど滞在した。青空も出ているので、雲が切れて下界の海が見えたりしないかなと粘ったが、諦めて13時45分、下山開始。下りも上りと同じ100分かけて、15時25分、無事駐車場に戻った。ゴール付近で一緒になった団体さんを見送り、こちらも車のエンジンをかけた。どうやら明日は天気が悪そうなので、どこかで時間つぶしをする。

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