冠山から能郷白山までは直線距離で10キロそこそこで、残雪機には縦走してしまう人もいたりする。しかし登山口はひとつ隣の峠になり、一度町に下りてからおおきく周って行くしかない。1時間ほど車を走らせ、温見峠に上がる。こちらはきちんとした駐車場はなく、道路脇の駐車帯に縦列で停めることになる。仮設トイレがひとつあるので便利で良い。
 21日の冠山は午前中が雨で、回復した午後に登った。22日は逆に午前中は天気が持つが、午後から荒れてくる予報だ。天気というのは予報よりも早まる傾向があるので(個人内の感覚)、なるべく早く登り、急いで下りてこよう。

 22日、4時40分スタート。登山道はそこそこの斜度があり、所々に梯子が設置してある。とはいえ、梯子のひとつひとつは短く、恐怖を感じるものではない。比較的登りやすい道といえよう。道のあちこちに標識もあり、自分の立ち位置とペースを確認できる。おまけに草刈りも完璧で、地元の皆様の管理を思うと感謝しかない。
 ただ、「お迎えダケカンバ」というのは、なんだか「いよいよ自分にもお迎えがきたかぁ」などと不吉な展開を想像してしまうので、できれば「歓迎のダケカンバ」に看板を替えてはいかがだろうか。(特に文句ではありません)

この数字は数が減っていきます
モーゼの十戒を思い出す

 6時ちょうどにコロンブスピークに到着。ここまでくれば激しい登りは終わり、いわゆる稜線歩きになる。まだ樹林帯で視界はいまひとつだが、時々開けた場所も通り、気分が上がる。

やっと登りが終わった感
少し開けてきた けど、向こうから雲来てない?
山頂(残念なことに虚無)

 6時30分、山頂に到着。残念ながら眺望はなく、風も強くなってきた。雨はまだ降っていないし青空も見えるが、予報からしてこの後回復する見込みもないので長居しないで先の白山神社奥宮まで進む。風雪に耐えるようステンレスで作られた小さな祠の扉を開けて、今回は最初に知り合いの試験合格やら健康やらを願う。もちろん煩悩成就祈願も忘れない。中には御朱印などもあり、1枚いただこうかとも思ったが、よく考えたら御朱印を集めてるわけでもないので貰わなかった。「せっかくだし記念に1枚」よりも「この御朱印の紙、たくさん登ってきたらすぐなくなるよなぁ。補充するの大変だろうなぁ。」と考えてそのままにする自分は相当大人になったなぁと自画自賛する64歳である。(遅すぎじゃろがい!)

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奥宮もガス出てきた 帰ろっと

 相変わらず風が強いので、そそくさと下山開始し、コロンブスピークまで戻って休憩にする。下りの稜線は、強風にうねりまくる雲海を見ながら歩く。雲一つない青空が好きだが、ダイナミックな雲海もたまには良いなあと思う。

 7時30分、コロンブスピークまで戻っておやつタイム。そしてあとは休むことなく下りだ。このあたりでようやく他の登山者とすれ違い始めた。中には大きなワンちゃん(ラブラドール)を連れた人もいたが、梯子はどうしたんだろう。

 8時30分、下山。道路の反対側には延命地蔵さまがいて、こちらにもしっかりお願いして本日の登山終了である。

 この能郷白山は、加賀の白山を開いた泰澄上人が白山からこの山を見て、「おお、あれも良い山だなあ。あっちにも権現様を分祀しよう。」と思い立って開いた山だという。とても由緒正しい山なのだ。深田久弥さんも能郷白山と荒島岳のどっちを選ぶか悩んだらしい。では自分ならどちらを選ぶだろうか・・・うーん、これは悩ましい。悩ましいけど、どちらかにもう一度登りなさいと言われたら、能郷白山の方かなぁ。雲海で景色わかんなかったし。

ありがとう仮設トイレ

 それからもうひとつ、せっかく地元の有志が設置してくれた仮設トイレがちょっと汚かった。足踏み式で流す水のタンクが空で、大きな◯◯とペーパーがそのままになっていた。外にある予備の水タンクを利用して流したが、そういう機転がきかないものだろうか。まあ大抵は、やることやってペーパー使ってさあ流そうというところでパニック起こすのだろう。
 下山してトイレ確認したら、やっぱり◯◯とペーパーがそのままで、これじゃだめだなあと、予備のポリタンクに自分の持ってる飲み水を全て加えて、トイレのタンクに移しておいた。量は少ないが、数回分にはなるだろう。加えてトイレの協力金も財布の小銭を全部投入した。(といっても260円だが)さらについでに、100円ショップで購入して車内に吊るしてある「虫コナーズ的なもの」をトイレ内に吊るしてやった。余計なお世話かもしれないが、多少は貢献したつもりになって温見峠にさようなら。(実はホントに余計なことでしたらごめんなさい)

水の補充しなきゃ
もしかしたら人生最後の「あっ宝んど」
ローソンで「メガ盛りチャレンジ」やってたので、カツカレーをいただく

 その後、23日(日曜日)は雨が確定なので、金沢で行われる「キャンピングカーフェス」に向かった。それから仕切り直して残りの山、と思ってたら実家の母親から「風邪ひいたみたいで具合悪いから一度戻ってこい」と指示があり、今回の北陸遠征はこれで打ち切りとなった。
 今回予定していた「位山」「大日ヶ岳」「川上岳」「鷲ヶ岳」それからゆとりがあれば行けるかなと思ってた「霊仙山」は来年に持ち越しとなる。

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