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群馬県の西部にある富岡市。
そこには、あの有名な富岡製糸場があります。
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世界遺産になるまでは、
「たくさんの女工さんたちが働いていた絹糸の工場」
という知識しかありませんでした。
今回、近所まで来たので足を伸ばして初めての見学です。
目次
駐車場から製糸場まで
高速のインターチェンジを降りると、すぐに富岡の町に入ります。
でも、なぜか「無料駐車場」という表示は町から遠くなる。
ここで、かなり不安になります。
「ほんとは近くにあるのに、とんでもなく遠い駐車場に誘導されるのだろうか。」
でも、標識の誘導にあわせて進むと、町の外側を周り、結局駅の裏の駐車場に行き着きます。
ああ、ひと安心。
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駐車場からは市内循環バスも出ていますが、
歩いて20分ということで、街並みを見ながらゆっくり行くことにします。
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富岡駅は、美しいレンガ模様。
なかなか洒落てるね。
(この模様が製糸場の建物レンガを表していることは、ここではまだ知らない。)
まだ早い時間なので、店は開いていません。
その分、客引きもなく静かに歩けるので、これはこれで悪くない。
富岡製糸場の正門に到着。
まだ開場まで10分あります。
開いている店は、正門のすぐ前の葛餅の店だけ。
「試食どうぞ。帰りに寄ってくださいね。」
いいなあ、この場所。
と、1日の売り上げを概算してみる。(キャッシュなわたし・・)
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でも、暖かい葛湯、ありがとうございました。
おいしかったです。
製糸場で勉強したこと
9時になり、開場です。
1000円の入場料を払い、入るとすぐに記念写真撮影。
撮影した写真は無料でもらえます。
係のお姉さんが、しきりに「ガイドツアーはこちらでえす。」
と、やや強引に客引きをしています。
でも、まあこれは許容範囲。
せっかくだからガイドツアーにも参加してみよう。
料金は200円也。
ツアー開始までの時間を利用して、ビデオ映像を見る。
なかなか分かりやすいビデオです。
入場したらすぐに見ることをお勧めします。学習した内容は、
日本の絹糸は、人が手作業で回しながら糸を作っていたので、太さにムラがあり、あまり高く売れなかった。そこで日本政府は、フランスから技術者を招聘して近代的な製糸場を作ることにした。
数ある候補地から最終的に富岡が選ばれたのは、巨大な工場を建設できる立地と、エンジンの稼働に必要な石炭が取れること、そして豊富な水が入手できるという好条件が揃ったからだった。
建設した工場は、骨組みを日本風の木造建築としながら、壁には西洋のレンガ積みを取り入れるなど、和洋折衷の構造だったこと。レンガのなかった日本で、技術指導しながらレンガを焼いたこと。
また、工場のシステムも湿度の高い日本の風土や、背の低い日本の女性に合わせたものとした。このあたりの判断は、フランスの技術者の素晴らしかったところだ。
当初、工員は「フランス人から生き血を吸われる。」といううわさ(どんなウワサや!)が立ち、なかなか人が集まらなかったという。でも、当時の女工さんたちは、そこそこの給料としっかりした食事、そして更生施設の整った、比較的良い環境で仕事をしていたようです。
さらに、女工さんたちは、ここで技術を覚えたら、各地で指導者的な立場になることも期待されていたよう。
エリートだったのですね。
その後、富岡製糸場の絹糸は、品質も高く、人件費も西洋より安い時代だったこともあり、世界一の絹糸の生産輸出を誇ることになりました。
なるほど、この地が日本の近代化を支えた大切な場所だったことがわかりました。
それで「世界遺産」なのですね。
考えてみれば、東洋の小さな島国が近代化を進めた場所が、「世界遺産」とは・・・
日本てすごい?それとも世界遺産を量産しすぎ?
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ツアーに参加して
ツアーの案内は、公式ガイドのおじさん。
時々ジョークをかましてくれるが、なかなかヒットしないスリルも味わいつつ、
なかなか興味深い話をしてくれます。
当時の女工さんやフランス人技術者の給料とか、実際に作業してた工場のシステムとか、
話は現在の「修復作業に何億かかる。」という話も。
このツアーの料金(ひとり200円)も、この施設の維持管理や修復に使われているのですね。
そう考えたら、多少はお金がかかるのも仕方ないのかもしれません。
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修復工事現場の見学
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こちらは工事現場なのでヘルメットが必要です。
ヘルメット使用料が200円。
まあ、この費用も修復に回るのでしょうね。
文句を言わずに出しましょう。(でも、合計で1400円かあ・・)
工事の基本は耐震と瓦の葺き替え。
でも、使える瓦は元の場所に収めるのだそうです。
これって、全部新品にするより大変そうです。
見学自体はなーんてことないけど、ヘルメットかぶると妙に気持ちが高揚します。
帰りに、大きな水タンクを見学し、「製糸場には多量のきれいな水が必要で、川は生活排水なども流れてくるから、農業用水から引いてきて溜めたのだ。」という説明を聞いて、200円コーナーの見学はおしまい。
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見学を終えて
ここに来る前のイメージは「女工哀史」に近いもので、劣悪な環境の中で体を壊しながら頑張って働いていたというものでした。
でも実際は、労働時間もしっかり管理されていて、工場内に診療所もあるというすばらしい環境の中で働いていたことがわかりました。これも、フランス人技術者がきちんとシステムを作ってくれたからでしょうね。
根性論で仕事をしていない、体をこわすような無理を強いることもない、
現代よりもずっと「働き方改革」ができているようです。
その後、日本の絹糸は、残念ながら東南アジアの国々に勝てなくなりました。人件費の安いところには勝てません。それも時代の流れ、仕方のないことでしょう。
いまは「世界遺産」として残されることになった富岡製糸場。世界的に見ての価値はわかりませんが、私たち日本の近代化を担った場所として、きちんと保存し、記憶にとどめておきたいものですね。
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富岡製糸場のデータ
遺産名 富岡製糸場と絹産業遺産群
具体的な物件 富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴
記載年月 平成26年6月
詳しくは、下記のページを参考にして下さい。