車中泊をしながら百名山を巡っております。日光白根山、至仏山に続き、3日連続で今日は谷川岳です。初心者にとって谷川岳は「落っこちちゃうかもしれない危険な山」という印象があります。いえ、印象だけですが。

ロープウエーを使って山頂へ

 ベースである土合口から谷川岳山頂へのコースは2つ。ひとつは西黒尾根コース。こちらは険しい場所もあり初心者には荷が重いというので、ロープウエーを利用して天神尾根を登る一般的なコースを選択します。

標準コースタイムは4時間半。

 車中泊をした「道の駅 みなかみ水紀行館」を6時に出発し、ロープウエーのある土合まで車で移動。7時前にはロープウエーの駐車場に到着し、ロープウエーの始発を待ちます。待合室では親子(父と息子)の2人連れとお喋り。聞けば休みになると2人でいろんな山に来るのだとか。父の事業を息子も手伝っているので職場も一緒、家でも一緒、趣味も一緒って考えてみるとすごいことです。
 お父さんからは「スタートはすごくゆっくり歩きます。その方が体が馴染んで結局はスムーズに登れます。」というアドバイスをいただきます。まあ、アドバイスがなくてもいつも通りゆっくり歩きますが。それに今日は岩場も多いはずですし。

ロープウエー天神平駅。ここからスタート。
山頂がきれいに見えています。
撮影ポイントがありました。

 8時の始発に乗り込み、15分で天神平駅に到着。ここで靴のひもを締め直してスタート。ベテラン親子のアドバイス通りゆっくり進みます。天神平から熊穴沢までは林間コースですが、一ヶ所だけ崖の切れている場所があり、少し緊張します。でも全体としては穏やかな道です。天気も良く、木の間から谷川岳の頂が見えます。山頂付近はかなり急に見え、あそこまで行くのかと思うと「僕が行ってもいいところだろうか。」と不安にもなります。でも、見たところかなりお年を召した方もいて、「実は大したことないのかも。」とも思えてきます。(実際のところは行ってみないとわかりません。)

天気が良くて、水の消費が多くなりそう。
ここも蛇紋岩という話。
木道は歩きやすくて安心。
ここは落ちないように慎重に。
熊穴沢避難小屋まではほぼ時間通り。

 熊穴沢からは崖のような岩場が出てきます。こういう場所を見ると「来てはならない場所なのか。」とビビります。

 ここで、山の初心者あるある!
「岩場を四つん這いでひーひー登っていたら、いつの間にか平なところまで這って歩いてた。」これって、私だけ?

 いくつかの岩場をクリアし、気持ちの良い稜線を歩くのはほんとに気持ちがいいです。森の中も好きだけど、開けた稜線から見る山並みは格別です。山に来て良かったと思える瞬間です。そうやって何回かひーひー言いながらも無事肩の小屋に到着。ほぼコースタイム通りです。さすが自分!

三点支持でいきます。立てません。
前の人はスイスイ行くけど、自分は四つん這い。
気持ちの良い稜線が続きます。
だいぶ登ってきたぞ。肩の小屋はもうすぐ。
肩の小屋。

 山頂はすぐそこなのでとりあえず休憩なしで進み、トマの耳、そしてオキノ耳をクリア。見ればさらに奥に鳥居が見えたので、そこまで行ってお参りします。
祈願内容はいつも通り「健康・幸福・金」の3つ。(金のお願いをするからダメなんだよね、きっと。)
 ロープウエー乗り場で「稜線の向こう側は紅葉ですよ。」と案内された通り、赤や黄色がきれいです。紅葉のシーズンに山に来る人の気持ちが、ちょっと分かる気がしました。(でも、大混雑の山小屋に突入する意志はゼロ)

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トマの耳
オキの耳まで10分?
稜線の西側だけ紅葉が進んでいます。
オキの耳来ました。
オキの耳にザックを置いて奥の院まで行ってみる。
紅葉が綺麗。

 肩の小屋に戻っておにぎりを食べて一休み。そしてすぐ下山開始です。なんだろね、このせかせかした動きは。もっとゆっくりすればいいのに、と思いつつ、山はとにかく早く行動という強迫観念があってね、はは。
 下りは登り以上に慎重に慎重に。もちろん抜かれ放題です。自分より20歳は年上だろうというお爺さんが飛ぶように下りていくのを見ると、少しだけ嫉妬しますが、これまでの歴史が違うのですから仕方ないですね。

肩の小屋に戻って昼食。
帰りは下りが恐怖です。

 ここで事件発生。携帯電話を拾ってしまったのです。山の落とし物は本当に判断が難しいのですが、少し前に飛んていった爺さんのザックにスマホが刺さっていたのを思い出しました。あれ落ちないのかなあと感じたあのスマホ、あの爺さんに違いないと確信し、ペースを上げて追いつこうと試みます。しかし下りで本気を出して大惨事になるリスクもあり、慎重に急ぎます。当然のことながら爺さんはなかなか見えてきません。途中追いついた方に「これ、落としてませんか?」「違います。」を繰り返し、途中でお話し好きのお婆ちゃんの話を切れず時間をロスし、結局天神平まで人のスマホを握って下りてしまいました。
 ロープウエーのスタッフに渡し、施設内で放送もしてもらいましたが、無事持ち主に戻ってることを祈ります。

あと1時間ちょっと。
天神平、戻ってきました。

 下りはちょっと急いでしまいましたが、おおむねいつも通りの時間で無事登山を終えることができました。他の山に比べて谷川岳がどれくらい危険なのかどうかは、実際に行ってみないとわからないところではありますが、とりあえずここまでは安全に登れるようです。
 それにしても、普通の運動靴でショルダーバックをかけたおばちゃん達が「2時間て書いてあったから来てみた。」なんて喋りながら登ってくるのを見ると、いくら自己責任といってもスタッフが止める必要がないのでしょうか。それとも谷川岳ってハイキング気分で行ける手軽な山なのですか?その後滑落とか死亡事故という話も聞かないし、きっとみなさん無事に下山したのでしょう。まあ、結果オーライってことで・・・いいのかなあ?

8:00 ロープウエー乗車
8:15 天神平
9:05 熊穴沢避難小屋
10:15 肩の小屋
10:25 トマの耳
10:40 オキの耳
10:50 浅間神社奥の院
11:00 オキの耳
11:10 トマの耳
11:30 肩の小屋(15分休憩)
13:10 天神平

ロープウエーが2本ワイヤーだったので、どうなってるのか気になり係の方に聞いてみたら、このモデルを見てねと案内されました。実は一本のロープなのですね。
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