4日、多良岳を昼に終えてすぐに移動。そろそろ水も減ってきたのでスマホで検索すると、普賢岳の麓に湧き水があることがわかった。舞岳源水という有名な水とのこと。さっそく立ち寄って補給。うん、たしかに美味い水だ。(なんて言ってますが、水の味よくわかりません。)無料と思ったら「協力金100円」とあるので、ここは正直に入れておこう。

ありがとう、舞岳源水。

リンク 島原湧水めぐり

 まだ時間があるので、「雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)」を見学する。広大な駐車場に車は一台もなく、一瞬「休業中かな?」と思ったが、ちゃんと開いていた。検温、消毒、緊急の際の連絡先記入など、コロナ対応の作業を経て展示室へ。客が自分ひとりなので、係のお姉さんが「昔の噴火を紙芝居風にしたシアターを今から上演しますので、先にこちらを見てください。」それが終わると、「では、こちらへどうぞ。火砕流の速さを実感できるコーナーです。」「大噴火シアターを上映しますので、ご覧になってから他の展示に回ってください。」と、付きっきりで対応してくれた。シアターも一人の客に合わせてスタートさせてくれる。有難いが、コロナの影響を感じて心苦しくもある。
 今夜は、災害記念館に近い「道の駅 みずなし本陣」で寝る。雨が降っているが明日は大丈夫だろう。

がまだすドーム、貸し切り。
道の駅に、土石流の展示スペースがあります。

リンク 雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)

リンク 道の駅 みずなし本陣HP

 5日の朝、途中で見つけたファミリーマートでパンを買い、登山口に向かう。8時に開くはずの「雲仙仁田峠循環線」は霧のため通行止めになっている。でも、天気は悪くない。きっと霧もすぐに晴れるだろうとそのまま待機する。しばらくすると係の方が車でやってきて、「午前中いっぱいくらい閉鎖の可能性もありますよ。もちろん天気相手なので、早めに開く可能性もありますけど。」うーん、このまま半日を無駄に過ごすと、結局1日が無駄になってしまう。そこで別の登山口から登るコースに変更。(変更といっても、最初のスタート予定地点まで歩いて行くだけなので、大幅な変更ではない。)

霧で通行止め。
仕方なく、ひとつ下の池の原園地の駐車場からスタート。

 池の原園地の駐車場に行くと、熊本ナンバーの車が1台停まっていて、3人の男性がこれから登るという。これは幸運である。彼らについていけば道に迷うこともないだろう。結局、スタートしたのが9時。かなり遅いスタートだが、コースタイムは6時間。普通に歩けば3時には帰ってこれる筈。なにより、熊本の3人組の存在が頼もしい。

最初は楽ちん。

 9時40分、仁田峠の駐車場に到着。本当はここからスタートの筈だったのだが、まだ霧が晴れていない。池の原から登ってきて正解だったと安堵する。10分ほど休んで、妙見岳に向かって登り始める。仁田峠から妙見岳まではロープウエイもあるのだが、そもそも運転していないので歩くしかない。(予算の関係で、やってても使いませんけど。)3人組の中で一番若いイタリア人の男性はかなり速いが、あとの2人がゆっくりなので待ちながら進んでいる。自然、自分が一番先頭を行くことになる。先頭は蜘蛛の巣が顔にかかるから好きではないが、仕方がない。

仁田峠駐車場(ホントはここか出発地点だった)。
妙見岳に到着。
尾根道は大好き。

 10時25分、妙見岳に到着。妙見神社でいつものように「煩悩の塊」のお願いをして、先に進む。ここからは尾根伝いの道なので楽ちんである。(山を趣味にしてるのに、平坦な道が好き!)高度が上がったせいだろうか、霧が晴れ、青空が出てきて普賢岳の平成新山が見えてきた。これは良い。近くに行ったら大迫力だろう。(しかし、それから平成新山を見ることはなかった。)

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国見岳。ちょっと急なところもありそう。
平成新山見えた!(見えたのは、この時だけでした。)

 国見岳への分岐に来たのが10時40分。見ればなかなかの山でどうしようか迷ったけど、思い切って行ってみた。道は前夜の雨で泥だらけだし、岩場はかなり急だし、「やめときゃ良かった。」と後悔しながら、それでも15分ほどで山頂に到着。(途中で引き返すって、なかなかできないものです。)山頂に上がった時には再び霧が出て何も見えず。
 国見岳から戻る途中で3人組とすれ違う。一人は脊椎狭窄で足が痺れると言ってたけど、頑張るなあ。そんな状態になってからも山に来る自信はない。

国見岳、急じゃないかっ!
国見岳山頂。雰囲気はいまひとつかな。

 普賢岳に登るコースは2つ。ひとつは国見岳の分岐から直接向かう道。もうひとつは風穴を周りながら進む、ちょっと険しい道。ここでも悩んだが、険しい道を選択する。(ダメなら戻るもんね。)
 しばらくは風穴(昔はここで養蚕をしていたらしい)を巡りながらの平坦なルート。特に問題はない。最後に「登りだけの一方通行」の直登がある。確かに急ではあるが、まあ大丈夫だった。(しかし、登り専用の道の途中で転んで、そこから下りたい時はどうするのだろう・・。と、悩んでしまう原理主義者の私。)

風穴まわりコース。
穴、見つけた。
ふーん、養蚕してたんだ。
パン皮状火山弾。直径30センチほど。
一方通行の直登。

 直登を登り切り、見通しの良さそうな場所に来たものの、残念ながら霧で平成新山は見えず、ややテンションを下げながら普賢岳に到着。時刻は12時40分。直接ルートを選んだ3人組は既に山頂で昼食中であった。しばらく3人組と車中泊の話で盛り上がる。イタリアの方は熊本に移り住んでいる陶芸家だと。(後にネットで超すごい人であることを確認。コーヒーカップの一つでも買って行こうかというレベルではなかった。)

普賢岳来た!なんも見えん!

 霧が晴れるのをしばらく待ってみたが、なかなかその兆しもないので、今回は諦めて下山。基本的に下りは重力に任せて歩くだけなので苦労は少ない。しかも帰りは緩やかな下り道。途中、噴火にやられた神社?なども見ながら仁田峠、そして出発地点の池の原園地に着いたのは14時40分。ほぼコースタイム通りに戻ってきた。
 車で靴を履き替え着替えをしていると、青空が広がってきた。うーん、もう少し山頂に留まるべきだったか。それとも、ここからは見えない山頂は今も霧に包まれているのだろうか。でも、雨にやられることもなく無事に帰ってこれたことを喜ぼう。

うーむ、かなりやられてる。
仁田峠に到着。車まであと30分。
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