三峰山

 前日の午後、登山口駐車場に向かう途中、「中央構造線露頭」という看板を見つけた。詳しい年代は知らないが、昔々日本の大地ができる過程を記録した重要な構造だ。露頭ひとつ見て「なるほど」と理解することもないだろうが、とりあえず見ておく。路頭は林道から少し外れるが、そこまでの坂が非常に急で、登りの時は車がひっくり返るんじゃないかと心配するくらい。しかも適当に落ち葉が道を覆っているから油断するとスリップしそう。ちょっと怖かった。露頭自体は説明がなければただの崖で、丹念に調査研究して大地の下を明らかにした先人の偉大さを逆に感じる。まあ、とりあえず、見た。

中央構造線露頭(崖の左右に違いがある)
ここで寝ます

 林道から三峰山に登るルートは3つあるが、既に中央のルートで登山届を出しているの「ゆりわれ登山口コース」を選択する。今夜は道路脇のスペースに車を停めて寝る。もちろん他には誰もいない。

 5時30分、スタート。登山道に入って早々に水場があったので、古い方のペットボトルの水を交換していく。今日は標高差500mを3キロかけて登る。山の斜面は急だが九十九折りの道自体は緩く、歩きにくいところはない。途中で「ホテルスメール迷岳展望所」という看板を見たが、登った日は何を言ってるのかわからなかった。この付近に「ホテルスメール」があるのか、迷岳とはどどれを指すのかまったく見当がつかない。(後日、三峰山の対面に迷岳があり、その麓あたりにホテルが存在することを知ったが、この時点では林のどこかにホテルの廃墟でもあるのだろうという認識)

スタート
迷岳とは何ぞや?
石はあるけど歩き易い

 6時40分、ようやく地面が平らになってきた。おそらく山頂部の平地に出たのだろう。木々もまばらになり、おそらく景色も良いのだろうが、霧が出てきて何も見えない。(このパターン、最近多いな。登る時間早すぎだろうか)やがて山頂の手前で足元の草地はかなりの広さになった。ここは遠足で弁当を開く場所だなと想像し、まっすぐ山頂に向かう。最後はほんの少し木々の間を登ると、再び広場に出て、そこが山頂。時刻は7時ちょうど。

平らになってきた(前方に人が歩いてる)
平地になってからも、けっこう長い
八丁平
山頂は霧(このパターン多すぎ)

 天気予報によれば今日は晴れなので、おそらくあと2時間もすれば山頂も綺麗に晴れるのだろう。でも、そこまで待てるほど我慢強くもなく、じってしてるとけっこう寒い。諦めて下山しよう。

 考えてみれば、天気の良い夜が明けると太陽の光と熱で温められた地面から水蒸気が立ち昇り、まだ冷えている空気の中で霧になるのは普通の自然現象だ。そんな霧(小さな水滴)も、やがて空気自体が温まれば再び蒸発して見えなくなる。ほぼ日の出と同じ時刻に出発する自分は、どうしても霧が盛りの時に山頂にいることが多くなる。これを防ぐには、霧が発生する前の暗いうちに登り山頂でご来光を見るか、ゆっくりスタートして10時くらいに山頂に着くかのどちらかだろう。

 8時10分、駐車場到着。天気が良いのでお隣の高見山にも行ってしまおう。

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高見山

怖いの見つけた

 三峰山から車で移動中にクマ捕獲用の檻を見つけた。この辺りに出るのね。注意しよう。(と言っても、なかなか注意のいようもないので、最近はクマスプレーを携行している。)

 9時20分、高見山登山口に到着し、すぐに登山開始。登山口には「クマ注意」の看板があり、昨年(2021年)の5月と7月に熊が出たと書いてある。先ほど見た檻のこともあり、緊張が倍増する。

 入り口の鳥居をくぐり階段を登ると、いきなり森の中に入る。でも、下草はほとんどなく、藪で向こうが見えないということもないので視界は良い。これならクマとバッタリ遭遇することはないだろう。勾配が急なので少々疲れるが、距離も短いので一気に山頂まで行こう。途中の展望スペース(ベンチもあって快適な場所)も素通りして、どんどん登る。

高見山登山口
クマ、出てる

 10時10、登頂。山頂には立派な展望台と小さなお社がある。いつものように煩悩成就祈願を入念に行い、昼ごはんにする。雲が広がっていて青空とまではいかないが、天候区分では晴れに分類できる空と、麓の景色を堪能しながら、20分ほど山頂で過ごした。

 帰りも途中で休むこともなく、11時過ぎに登山口到着。ほんの2時間の登山で、途中の道が変化に富んでいるわけでもないが、山頂が良い天気だと印象も良い。やはり登山の時間帯を考慮すべきかもしれないな。(と言いながら、自分の性格上、日の出と共に動き出す習慣が変わるとも思えない。)

山頂
最近の昼のパターン(実質200円しない)
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