「道の駅びえい 白金ビルケ」とってもいいです。シャワー施設があるのが最高です。特に自分は風呂に思い入れが少ないので、安くさっと汗を流せるのは助かります。

近くにある「白金青い池」

 6月27日、大雪山旭岳から「道の駅びえい」に移動。シャワーを使い、明日の目的地である十勝岳の登山口を下見、そして道の駅に戻って終身。(シャワーとジュースくらいしかお金使わないでごめんなさい)

 6月28日、6時30分頃に望岳台登山口に到着。駐車場には大型バスが2台停まっていて、出発したばかりの団体さんが遠くに見える。さすが百名山、平日なのに団体さんが来るのだ。よし、今日は安心だ。それに今日は距離も短いので少し遅めのスタートにしよう。考えてみれば暑寒別岳から3日連続だ。美瑛岳を回ることは考えず、無理せずピストンだな。(いや、いつだって無理なことはしていない)

今日も天気が良い(と、この時は思っていた)

 7時ちょうどに出発。既に団体さんの姿は見えず、ちらほらと数人グループの人たちがいるくらい。青空が広がっていて今日も天気が良さそうだ。十勝岳の噴煙も元気そうだ。スタート緩やかな大地を歩く。登るではなく歩く。きっと溶岩台地なのだろう傾斜のほとんどない道を1キロほど行くと、少しずつ勾配がきつくなる。でも登りにくいほどでもなく、50分で避難小屋に着いた。特に疲れているわけでもないので、水を飲んですぐに出発。ここからほんの小さな谷を登り返すと勾配は急になる。その急斜面のかなり上の方に団体さんが並んで登っている。かなりゆっくり歩いているなあ。ガイドさんがつくと、きちんとペースを作ってくれるから、それはそれで良いのだろうなあ、などと思いながら後を追う。しかしすぐに追いつく気もなく、山頂で一緒になるくらいを目標に、こちらもゆっくり登る。

少し上の丘に避難小屋が見える
斜面はこんな感じ

 見ると、上から男性が一人降りてきた。「早いですね」と声をかけると「いや、ちょっと体調も悪いので戻ってきたのです」とのこと。先行する団体さんのメンバーだが、ここまで来て山を目の前にして断念する気持ちを思うと切なくなる。気持ちとしては「リュック持ちますから一緒に行きましょうか」と言いたいところだが、余計な事をして責任もとれないので、そのまま別れる。考えてみれば、彼は賢明な人なのだろう。「調子が悪い事を口に出せず、ずるずると喘ぎながら登り、力尽きた時には取り返しがつかない場所にいる」という遭難のパターンを理解しているのだろう。あるいはそんな迷いを起こさせないほどに体調が悪いのか。

遠くに団体さんが見える

 しばらく下山する男性を見ていたが、非難小屋の付近までたどり着いたことを確認して再び登山開始。大雪山系は比較的新しい火山帯のようで、あまり土がなく火山噴出物のジャリジャリしている道が多いようだ。ここもあまり登り易いとは言い難い。(でも、旭岳よりは少しいいかな)

帰りはここを走って降りた

 昭和火口という小さな噴火口を横に見ると、ほんの少しで一度平らな場所に出る。しばらくは大きな火口に挟まれた細い馬の背を歩くのだが、高所恐怖の自分はこんな場所が結構怖かったりする。(恐怖のツボが人と違うかも) 遠くに団体さんが休憩しているのが見える。あれ、思ったより早く追いつきそう。団体さんは動く様子もなく、彼らの休憩地点に追いついてしまった。この時点で午前9時。ガイドさんとおぼしき人に「途中で断念した方、避難小屋まで見届けました」と一応報告して一休み。

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なぜかこの場所が怖い自分
団体さんに追いついた
美瑛岳方面
山頂直下は溶岩質

 出発した団体さんの様子を見ながら「あそこを登るのね」と目星をつけて遅れて出発。ここから最後の急登をゆっくり登れば、そこはもう山頂。途中で団体さんを追い越し、結局9時40分に到着した。10分遅れて団体さん到着。聞けば旭岳を昨日登り、今日は十勝岳でツアーが終わるとのこと。百名山のツアーなら、この2つはまとめた方が効率がよい。(もうひとつ加えるとトムラウシになるから、それはちょっとキツイかな)

山頂に着いたは良いが、雲がどんどん湧いてきた

 登頂した時点でそこそこだった天気が怪しくなってきた。どんどん雲が湧いてきて、山頂も霧に覆われようとしている。空気の動きの速さに嫌な感じがして、10時に下山開始。最初の急登を下るあたりで全体が真っ白になった。それでも道がわからないほどでもないので急いで降りる。最初の平坦地も休憩せずそのまま突っ切って次の急登に向かう。雨降るなよと念じながら次の下りにさしかかった時、雷が鳴った。うわー、どうしよう、一旦低い姿勢を取るか。いや、この坂を下った先にある避難小屋付近はまだ明るい。身を低くするより急いで低い場所に移動しようと決めて、少し早足で進む。前を歩いていた男性が坂道を小走りに降りていく。おいおい危ないぞ、転ぶなよと思いながら、自分も小走りになる。いよいよ雨が降り始め、雷はさらに強くゴロゴロと鳴っている。上にいる団体さんは大丈夫だろうか。どこかに身を潜めているだろうか。それとも全力で下山しているだろうか。

これはまずいぞ
ゴロゴロ鳴ってきた。急げ!
隠れる場所なし
前の人々も急ぎ足
助かった

 11時30分すぎに避難小屋に逃げ込んだ。助かった。12時を少し前に団体さんも無事到着。ガイドさんに「どこかで退避することも考えました?」と聞いたら「隠れる場所もないのでとにかく下山するだけでした」というお話。そうだよね。木も生えてない火山で隠れる場所ないもんね。まずはみなさん無事で良かったです。

 しばらくすると雨が小降りになって雷の音も聞こえなくなり、団体さんは下山していった。(この後温泉に入っていくという。少々雨に降られたから温泉も気持ちいいだろうな)でも、自分は雨の中歩きたくないので、地質調査にきていた研究者(含大学生)とおしゃべりしながら晴れ間を待った。

 12時30分、雨も止んだので下山開始。ここからは斜面も緩く特に問題もなく1時すぎには駐車場に戻ってきた。結果的に今日は美瑛岳を回ったりしないでまっすぐ帰って正解だった。そして、普通に5時くらいにスタートすれば雷の恐怖もなく下山できた筈。やはり山は午前中だな。

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