4月21日、南木曽岳を下山後、昼神温泉でゆっくりして恵那山の広河原駐車場に向かう。途中に「花桃の里」という場所を通過するのだが、ちょうど花桃の季節でかなりの渋滞になっている。いろんな場所で係りのおじさんが駐車場へ誘導させようと旗を振ってるのを無視して先に進む。途中で交通誘導の人に「この先は駐車できません。Uターンして戻るだけですよ。」と言われるが「恵那山の登山口に行くんです。」と説明して花桃の里を突っ切った。

花桃満開

 しばらく進むと「登山者以外はこの先侵入禁止」の表示と車止めのコーンが出てきた。自分は登山者なのでコーンをどかして侵入する。そこから舗装された林道を少し進むと広い駐車場が出てきた。林道はさらに続くがきちんとしたゲート(鍵つき)があるので進めない。数台停まっている車の間に停車して明日まで過ごす。時刻はまだ午後3時過ぎ。暖かいので久々に折りたたみ椅子を広げ、東京の古本屋で買った本を読みながら時間をつぶす。そんなことをしていると少しずつ登山者が戻り、車が少しずつ減っていく。何人かに話を聞くと、山頂にはかなりの雪が残っていて、チェーンスパイクを履いたという人もいた。数日前の町のHPには「恵那山は雪もとけてすっかり春の山です」と書いてあったが、どうやらあれは登山者用ではなく麓から見た山の様子を言っただけらしい。

登山者なので先に行きます(写真の車が私の)
登山口駐車場
トイレ、まあまあきれいです

 午後4時を過ぎると、車は残すところ(自分の愛車含まず)1台になった。山頂には宿泊できる小屋があるのだろうか、これから戻るだろうか、もし暗くなっても残ってたら通報すべきだろうか、などとドキドキしてたら5時過ぎて2人(夫婦かな)が下りてきた。これで今日の登山者は全員下山したのだろう。あとは暗くなるのを待って早々に就寝。この時他に車はなく、広い駐車場をひとり占め。

 22日、目が覚めて外を見ると10台ほど車がある。昨夜に何回か光を感じたので、夜うちに少しずつ集まったようだ。今日は土曜日で天気は晴れ。しかも恵那山は百名山なので登山者は多いだろう。

 5時25分出発。食料はいつものように「パン2個、水3リットル(500mlはお湯)、非常食の煎餅とクッキーと羊羹、インスタントコーヒー」というラインナップ。水3リットルは多過ぎるのだが、体力づけにもなるし安心だからこれくらい持っていく。

スタート
登山口(見逃すとこだった)
こういうの苦手

 法面の崩壊が気になる林道を少し歩き、途中で小さなトンネルなども通って、25分で登山口に着いた。登山口といっても林道の途中から川に降りていくので、油断すると見逃しそう。(自分だけかな?)川に架けられた即席の橋を渡り、巨大な山塊にとりつく。けっこうな斜度だが流石百名山、道はしっかりしている。九十九折りの道は危険な場所もなく、歩き難い場所もそれほどない。このあたりが二百三百名山との差かもしれない。道は基本的に森林の中なので眺望の良い場所は少ないので単調ではある。山頂まで10等分した標識をモチベーションの助けにして、とにかく登るだけだ。

川を渡ったら登るだけ

 4/10あたりで斜面が緩くなる。ちょっとだけ眺望のある場所を通過したら再び斜度が増し、7/10あたりを越えると残雪が出てくる。それもなぜか登山道だけをしっかり覆う細長い雪渓だ。きっと木のある周囲よりも地面への積雪が多く、木の作用で溶けるということも少ないのだろう。(合ってるかどうかはやや不安)これが昨日「チェーンスパイク履きました」と言ってたところだな。

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ちょっとだけ視界が開ける
ある意味道が分かりやすい
山頂到着

 8時40分、山頂に到着。自分が使っているアプリ「コンパス」の地図ではさらに奥が山頂となっているが、三角点のある場所に山頂の看板がしっかりあった。すでに登頂して休んでいる人にここが山頂ですかと聞くと、そうだと言う。なんとなくあっけないなあ。

 せっかくなので「コンパス」で表示されている山頂まで行ってみることにする。一度少し下ると再び雪渓が出てきて何回か踏み抜きながら進んでまた登る。10分ほどで避難小屋に着いた。こちらで休んでいる人に聞くと、さらに先に最高点があるという。また雪渓を歩いて5分ほどで最高点に来た。なるほど、「コンパス」ではこちらの最高点を山頂としているのだな。

最高点に向かう
ちょっとだけ登り返し
残雪多し
避難小屋きれいだな
最高点はさらに先(遭難しそう)
最高点(休む場所もなくすぐ引き返す)

 最高点には休むような場所もなく、避難小屋まで戻って昼食。近くのベンチで休んでいる人としばらく話をする。きけば「ヤマップ」の山頂は三角点の場所になっているそうだ。アプリによって山頂の位置が違うというのも何だかなーと思う。

 ところで、登山者の中ではヤマップのシェアがずいぶん大きいようだ。ヤマップには「すれ違ったユーザーを記録する機能」などもあって遭難者の発見には有効だろう。しかも山行記録と写真をリンクできたり、便利でもある。実際自分も登山を始めた頃には使っていたが、今は「コンパス」だけにしている。スマホは「時々地図を確認する」ということだけに使い、そのGPS機能さえ途中で切って、極力バッテリーを使わない。記録は別にデジカメを使っている。(それでもスマホの画像の方が良いので、必要に応じてカメラ機能も時々は使う)慎重すぎるリスク管理者なのだ。(予備バッテリー持てばいいじゃんて? いや、それも持ってるし)

 山頂付近で1時間ほど過ごし、9時50分下山開始。再び雪を踏み抜きながら山頂(表示のあるところ)を通過。ここには既にたくさんの人がいた。多くはここまで来たら戻るのかな?でも、ご飯を食べるのは避難小屋の前の広場が良いな。山頂は眺望ゼロで、しかも広くないし座る場所も少ないし。

 山頂からは再び雪の上を歩き、7/10あたりからは雪のない春の山道を下る。登りは3時間かかった道を2時間で川べりまで来た。あとは30分ほどゆっくり林道を歩いて12時30分到着。

大まかに言うと「林道30分、登り3時間、山頂で1時間、下り2時間、林道30分、合計7時間の登山となった。駐車場には30台を越える車があって満車状態だ。土曜日の百名山ならこうなるよね。

 そして車で通過した「花桃の里」は、昨日以上の大渋滞となっていた。

良き
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