船形山は山形県側から登ると往復8時間のコースで、無理ではないけど自分には大変で躊躇していた山。それが、宮城県側なら最短4時間程度の山行になる。せっかく宮城に来たのだからお手軽ルートで登ってしまおうということで最短ルートの駐車場に向かった。しかし途中の道はとても悪い。一部岩がむき出しで車の底を擦る場面もあった。こういう道に来ると、ジムニーやランドクルーザーがいいなあと思う。

 大滝キャンプ場に着いたのは午後4時少し前。この日に登った人の車が何台か残っていたが、それも全て帰途につき、夕方からは完全に一人となった。これも慣れで、特に寂しいということはない。でも、夜中にずいぶんと風が吹き、木々がザワザワと唸るのは少々気持ち悪かった。

駐車場は10台ちょっとかな
駐車場には水場があります

 6月25日、午前5時起床。朝食をとり、5時半に出発。この時間にはまだ他の登山客はいないので、諦めて先頭で山に入る。(蜘蛛の巣きらいだから、ホントは2番目に登りたいのよね。)昨夜に雨が降ったこともあって地面の状態はあまり良くない。おまけに場所によっては藪の深いところもある。もしかしたら升沢小屋を通るもうひとつのルートがメインなのだろうか。でもこちらの方が近いので、大きな危険箇所がない限り選択ミスということもだいだろう。

ちょっと狭いな

 1カ所だけ、大きく道を間違ってしまった。比較的緩い傾斜の道を進み、鏡ヶ池分岐を過ぎたあたり、藪と足元が少しずつ厳しくなり、あれ?っと思ったがしばらく進んでみた。100mくらい行ったところで道がほとんどわからなくなり、どう考えても変だと思って引き返したら、しっかり左に曲がる道を見逃していた。スマホのGPSも確認していたのだが、本来の道と平行に歩いていたため、画面上のズレをGPSの誤差だと勘違いしていた。いずれにしても、おかしいと思った時点で戻ることは大切だと再認識。

 正しい道に戻ってからしばらくすると、道が急になってきた。ここから山頂の肩口まで250m程度の登りになる。この山は山頂まで森林が広がっているので眺望はない。林間の涸れ沢のような道を登るだけだ。

山頂へ
主稜線の分岐に出た 山頂まで5分
山頂 ガスってて風も強く、寒い
小屋で風を凌いでひと休み

 7時15分、奥羽山脈の稜線に出た。この道を真っ直ぐ進めば山形側に降りるが、山頂は左だ。やっと開けてきた道を進み、5分で山頂に着いた。雨は降っていないが風が強く寒いので、山頂小屋をお借りしてここで30分ほど休憩。小屋の中には水(おそらく寄付されたもの)やガスボンベ、コンロなどもあり、風雨の中避難してきた人にとってはまさに命をつなぐ場所となるだろう。

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 なかなか天気が回復しないので、7時45分下山開始。帰りは升沢小屋経由の道を行く。こちらの道は振り返ると山頂小屋が見えて、いかにも山に来たという感じの良い道だ。樹林を這い登っていきなり山頂より断然良い。次回来ることがあるならこちらから登ろう。(でも、二度と来ないような気もする)

下山開始
高い山ではないが、山の深さを感じる
道が川になってる
升沢小屋

 下っているうちに少しずつ天気が良くなり、気温も上がってきた。しかし、こちらのルートは雨の影響だろう、ほとんど川になっている場所もある。8時45分、升沢小屋到着。ここで10分休憩。ここからしばらくは傾斜も緩く道の状態も良い。9時10分、突然社が現れる。ここが地図にある「三光の宮」だろう。そしてすぐに大滝への分岐が出てきた。尾根から外れて斜面を下り、川を渡ったらあとは平坦地だけだ。

川を越えたら駐車場近し

 9時55分、駐車場到着。駐車場には車が数台来ていた。ここまですれ違ったのはひと組だけなので、残りは自分と同じ周遊コースを選んだのだろう。私が迷った場所をうまく通過しますように。

 車中泊をしながらの登山では、「午前中に登山」「午後は次の山の駐車場に移動」「そこで車中泊」「そしてまた午前中に登山」というサイクルになることが多い。そのパターンになってきたのは自分にとって日常である。次は栗駒に向かう。

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