白山白川郷ホワイトロードは、有料で冬季は使えないが、岐阜と石川を繋ぐ唯一の道路と言える。三方岩岳の登山口は、この有料道路のほぼ最高地点にある。有料道路の料金所からのルートもあるが、こちらは少々長いコースになるのでほとんどの登山者は有料道路を使う。

 13日の午後に大笠山(途中撤退)から下山し、風呂でゆっくり汗を流した後に「道の駅白川郷」に寄った。ここで、観光客の「ホワイトロードの開通は明日なんだぁ」という声を聞いた。東北の主な山岳道路でさえゴールデンウイークには開通しているし、雪の回廊で有名な立山も既に通れる。まさか白山白川郷のラインの開通がここまで遅いとは思わなかった。情報不足は否めないが、結果的にラッキーである。道の駅は暑いし、どうせなら一番に通ってやろうと思い、料金所の手前で車中泊することにした。

 しかし、上には上がいるもので、既に車が一台スタンバイしている。その後ろにつけて1番の方(犬を連れてたが、仲良しになれなかった)と話をする。なんでも早く並ぶといろんな物がもらえるのだという。開通が10時であるということを聞いて少し心が揺れたが、こんな機会は滅多にないし、しっかり並んで貰えるものは頂くことにする。ちなみに1番の方はもう10年もこの日に狙いをつけて通っているという猛者である。そんな彼も毎回1番というわけではなく、去年は2番だったそうだ。

 14日朝、起きてみると後ろにもう一台停まっていた。暗いうちにやってきたのは合計3台ということだ。その後、観光できた車が列を伸ばし、関係者も集まって来た。9時少し前に係の方から「3番車まで記念品贈呈の式に出席お願いします」と言われ、めんどくさいが少し興奮する。「車で待ってて下さい」というその係の指示も「やっぱり近くまで来てて下さい。神事には参加しませんけど」「みなさんの席ありましたので、神事にも出席して下さい。」と二転三転したが、とりあえず神事に参加し記念のプレートなども頂戴した。加えてゲートに入る時に地元名山セットのような袋も頂き、今日はこれだけでハッピーである。

これ全部いただきました

 10時ちょうどに有料道路が開放され、そのまま三方岩駐車場まで高度を上げる。反対の石川県側から登ってきた人も同じ時間に上がってきて、見知らぬ夫婦と頂いた景品を見せっこしたりした。うちの1番さんによれば、石川側の方が盛大で景品も良いとのこと。確かに使える(食べれる)ものは石川側の方が良いが、記念のプレートについては岐阜の方が異様に力が入っている。どちらが良いかは評価の分かれるところだろう。
 前置きが長くなったが目的はあくまでも登山である。駐車場は既に1450mあるので、山頂までは300mしかない。式典の関係でスタートは遅れたが、距離が距離なので今日は問題ないだろう。

 10時30分、登山開始。石段を登り、やがて砂利混じりの緩斜面を歩き、ものの15分で稜線の分岐に出た。標識によれば山頂まで700m(高度ではなく距離)しかない。その後も険しい場所はなく、11時10分に展望台に出た。ここで少し休憩してから、小さく登り返して山頂に向かう。なだらかな丸い山容に見えるが、裏側は垂直に切れ落ちていて、いきなり崖のそばに出たりしてぎょっとする場所もある。苦しい山ではないが慎重に歩かないといけない。とくに1箇所だけ、ここで転んだらそのまま死んでしまう所がある。
 山頂自体は岩に銘板が打ち込まれているだけで休憩スペースもない。手前の展望台を山頂と見なしてそこから戻るのもありだろう。

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登り始めました
40分ほどで展望スポットへ
白山はますます近くに
ここ、下りで転ぶとそのまま断崖を落下します
ホントの山頂(休むスペースほとんどなし)
笹竹の花

 展望スペースに戻りベンチに腰掛けてパンを食べて休憩する。登山者の一人が「笹竹の花が咲いてる」と話し、それを写真に撮ったりしてひと時を過ごした。

 下りもゆっくり歩き、13時少し前に下山。有料道路の下りは石川側に下りたが、こちらも日本とは思えない絶景である。一度は通って損はない道と言えよう。(でも1700円はちょっとお高い)昨日が過酷だったので、こんな日があると嬉しい。

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