6月10日の午前中に白木峰を降りて、次は隣の金剛堂山だ。隣とはいえ、登山口は山の反対側なので大きく周る必要がある。当初は北回りで普通に国道と県道を行こうと思っていたが、南の方に「金剛堂山登山口」と表示がある。細い林道のようだが表示があるということは行けるのだろうと南に向かう。しかし、苦労して峠の林道分岐まで来ると「通り抜けできません」の看板がある。これは失敗した。結局元の道を戻り計画通り北回りで登山口に向かった。
 思えば一昨年、幌尻岳から戻る林道でパンクして以来、未舗装道にはかなりナーバスになっている。ぼちぼち車も買い替えなのでオフロードカーにしようかな。

登山口はトイレがあるし水もあるし、最高!
5時スタート いかにも「山に入ります」という雰囲気

 栃谷登山口には水場もトイレもあってとても便利だ。こちらで車中泊をして、午前5時スタート。当然ながらこの時点で駐車場に他の車はなく、自分が先頭で山に入ることになる。(本当は2番目が好きだ)

 橋梁やタワーなどの部品に使うであろう鉄骨を流用した橋を渡ると、道はしばらく沢沿いを進む。一度だけ沢を渡ると道は一度折り返し、今度は尾根を登る。斜面の傾斜はそこそこあるが、うまく道を切ってくれているので比較的登りやすい道と言える。一部道が掘られている場所もあるが、これはどこの山でも見られるもので、仕方のないことかもしれない。

 急な斜面から一度緩やかになると、「1Km」の表示が出てきた。こういう表示看板はペースが把握できて有難い。このあたりで集落から伸びる登山道とぶつかる筈だが、それらしいものは見つけられなかった。(もしかしたら木の枝で通行止めにしてあった場所があったが、あれだったか)
 ブナ林の気持ち良い道を進み、6時40分に片折岳を通過。木の枝に「片折岳」という小さな看板があるだけで、見逃せばそこが山頂とは気づかない。(実際、看板を通過した後も少し登っている)  ここから道は一度下り、あとは山頂までダラダラと登り続ける。少しずつ視界も開け、何度か「あれが山頂かな」と期待しては騙されてがっかりしたものの、7時50分に突然山頂に出た。

片折岳(一応、、山)
まだ先は長いな
7時50分 山頂

 山頂には石の立派な社と銘板、そして近隣の山の案内板があり、詰めれば20人くらいは休める広さがある。若干陽が暑いので社の陰で休ませていただくが、この小さな日陰も昼近くになれば無くなるわけで、炎天下はけっこう辛いかもしれない。
 一応ここでゴールだが、もう少し歩くと最高点があるというので、そこまで行ってみる。一度小さく降って登り返すのだが、この道が天空の小道とも呼べる良い道だ。社のある山頂から戻ったらこの清々しい道を知らなかったわけで、今日は先に進んで良かったと思う。
 そういえば、昨日白木峰で話した地元の方から「金剛堂山には行かれますか? あそこもいい山ですよ。」と言われた。山頂にくるまでは修行だが、登ってしまえばその言葉が納得できる。

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社のある山頂から最高点までが良い
最高点それ自体は微妙
ミルクあんぱんにして頂く

 最高点まで行くと、そこから奥金剛堂を経て南側の峠まで降りることができる。そこから林道を歩けば駐車場まで戻れるのだ。時間も早いし決して無理ではないが、今回は自重する。へなちょこでビビりのソロ登山者なので、登山届にないコースを進むのが怖いのだ。そんな時に限って何かが起きる気がしてならないのだ。

 社のある山頂まで戻り、再びお社様の陰に座らせていただきゆっくり休憩していると、カップルが登ってきた。こちらは十分に休んだので2人に日陰を譲り、少し話をして下山開始。時計は9時20分だから、1時間半も山頂付近うろうろしていたことになる。

 帰りは元の道をそのまま下るだけ。心配していた膝も少しずつ良くなっている。米山の時の下りのような激痛(あれは痛かった。もう今シーズンは終わりじゃないかと思った)は、もう無い。どうやらこのまま山の旅を続けられそうだ。

 下山途中にすれ違った男性の話が止まらず30分近く足止めを喰らったのはご愛嬌。70代の彼は、「まだ60代なんだから頑張れば百名山行けちゃいますよ。せっかくだから挑戦した方がいいですよ。絶対大丈夫ですから。」と、こっちが高所恐怖のビビり屋であることも知らず背中を押してくれる。彼自身は達成まで残り数座まで来ていて、今年中になんとかクリアしたいとのこと。でも、基本的にツアーに参加する形なので「蔵王や大朝日はツアーそのものが少ないので、なかなかタイミングが合わない。」と言っていた。基本的にソロで動く自分とは対極にある人だが、ツアーでわいわい登るというのもきっと楽しいだろう。それを続けられる彼の経済力が羨ましくもある。

 11時半、栃谷登山口に到着。この日は「新五箇山温泉 ゆ~楽」という温泉に行った。絶景の露天風呂が最高に良かった。

露天風呂からの風景はこんな感じ(撮影は休憩室から)
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