11月9日(金)
午前5時半、船内放送で起こされる。
「これよりパナマ運河に入ります。左前方に新運河がご覧いただけます。本船は1時間程度で閘門に侵入します。」
カメラを片手にデッキに上がると、すでに多くの人が出ています。
あいにくの小雨。でも、ここでは傘をさすことはできません。
後ろの人が写真撮れなくなっちゃうからです。
(それでも気にしないで傘さしてる人もいますが・・・)
パナマ運河は標高27mのガツン湖を経由するので、閘門で水位を調節して湖に上がります。上がる時の閘門は3つ。少しずつ水位を上げていくのです。
運河の大きさは船がギリギリ通れる幅です。
これは、船を作るときに「パナマ運河通れるようにしよう。」と決めるので、ギリギリの大きさにすることが多いのです。それが「パナマックス」というサイズ。
でも、もっと大きな船もどんどん作られてきたので、さらに大きな船が通れるような新運河も作られています。
昨日のツアーで聞いた話だと、今までの運河の通行料は30万〜60万ドル。新運河の方は60万〜120万ドルという話。ピースボートはおそらく30万ドルということなので、乗客ひとりあたり3万円くらい出している計算です。
30万ドルというとすごい高額ですが、ひとり換算だと通過する意義は高いと言えそうです。もし、アルゼンチンを回ってくるとなると、2週間程度はかかるでしょうから、費用はひとり3万円では済まないでしょうから。
船は3つの閘門を無事通過して、ガツン湖に入ります。ここからは広い航路。途中に山を切り開いた場所もありますが、ゆとりをもって通れる幅です。
午後は、運河にかかるふたつの橋を眺め、2つの閘門を通って水位を下げ、午後3時には無事太平洋に出ました。
旅はまだ1ヶ月以上残っていますが、ここからはずーっと太平洋です。
船内の会話も、「あっという間に終わっちゃうね。」という言葉が聞かれます。
ちょっと淋しい思いもしますが、中にはホッとしている人もいるかもしれません。
パナマシティの高層ビルが見えます。
ここは昨日ツアーで来たところ。
ツアーで歩いた一角や、夕食をいただいたレストランも見えます。
素晴らしいパナマシテイの姿を遠くに眺めながら、船は太平洋を進みます。
次の寄港地、ペルーのカヤオまでは3日間。
明日から普通の船内生活が始まります。
今日は寄港日の翌日なので船内行事はほとんどなし。
フラメンコダンス「セビジャーナス」の個人練習を1時間半と、卓球を30分やったくらいでしょうか。あとはひたすら運河を見続けた一日が暮れていきます。
夜は同室のSさんの誕生パーティー。
レストランでケーキが出されました。
レストランでは、「はっぴばーすでー、とぅーゆー!」
と、スタッフが歌ってくれます。
多少気恥ずかしい感じもしますが、毎日繰り返し行われるセレモニーにみんな慣れたもので、他のテーブルの人も歌に合わせて手拍子してくれます。
1000人も集まれば、毎日誰かが誕生日を迎える。
これが船内の日常です。