前日は登山口駐車場で寝ようと思ったが、駐車スペースは2台程度しかなく、しかもすぐ側が民家で居心地がよくない。少し山の方に車を走らせたりもしたがうまいスペースが見つからず、結局5キロほど先の「日浦登山口駐車場」で寝ることにした。こちらは10台ほどのスペースがあり、しかもトイレもある。ちなみに、日浦登山口から西赤石山を経て東赤石山に登り、筏津バス停まで下りる縦走ルートもある。こちらも10時間程度なので可能ではある。(でも行かない)

 朝、瀬場登山口まで移動し、駐車スペースに車を置いてスタート。時刻は5時50分。(車置いていいのか、最後までよくわからなかった)ちなみにこちらの登山口にも小さいトイレあり。

ここは花の百名山でもあるのね

 特にどうということもないのだが、こちらの登山道はなんとなく廃れている雰囲気がある。分岐点には比較的新しい看板があり、木道の危険な部分は修理もしてある。でも、なんだろう、人の手が入らない時期が長いことあったようなにおいがある。かつて銅山が栄えていた地域全体が時代から取り残され、それが百名山ブームでにわかに登山客が増えてきたのでようやく整備を再開したといったところだろうか。

きれいに直してある 嬉しい
ここは慎重に

 早々にネガティブな感想を持ってしまったが、そもそも山自体に罪はないわけで、人が少ない(しかもクマも少ない)山も嫌いではないので、普通に楽しもう。

 1時間ほど歩くと川を渡り、コースは2つに分かれる。今回は東コースを登り、西コースを下る。東のコースは最初は谷沿いの道だが、高度を上げていくうちに谷はなくなり広い斜面をほぼ真っ直ぐに登る。大きな石がゴロゴロの直登はなかなか大変だ。昔、こんな感じの道で派手に転んだことを思い出す。(その時は下りだったから条件は違うが)

橋を渡り
右に行きます(帰りは左から)
渡ります
どんどん登る
最初の分岐

 8時40分、権現越分岐に出る。しばらくすると山頂への分岐。そして最後の直登があり、やっと尾根に出る。距離は短いが、尾根に出てからもなかなかの登りがある。これまでの四国の山の中でもトップクラスの厳しさではないかと思えてくる。一番苦しかった笹ヶ峰でも山頂まで2時間ちょっとだったのに、3時間を過ぎてもまだ登っている。もちろん厳しさとコースタイムは必ずしも比例はしないが、そこそこの登りが続いて3時間を越えるのは大変だ。(登山初級者の見解)

 9時15分、山頂にやっと辿り着いた。やはり標高差1000mだけのことはある。まずは一休みだ。ゆっくりコーヒーを飲んでパンを食べる。今日はここあで誰をも会っていないなあ。きっと最後まで一人なんだろうなあと頭に思い浮かぶが、こういうのは大抵当たる。(実際そうなった)

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山頂は近いが登りは続く
登る
登る
もう少し
やっと到着

 西には鉢巻山の岩場がかなり危ない雰囲気を醸している。帰りはあの岩山を越えて行くルートもあるが、かなり疲労しているので脇道をいこうと心に決めた。(でも元気でも多分行ってない)下りは鉢巻山分岐から下り、次の分岐から赤石山荘に向かう。山荘までの道は山頂を避けた巻道なのだが、こちらも巨石が次々と現れ、歩きにくい。

 9時55分、赤石山荘到着。こちらの山荘はすでに閉鎖されていて、もちろん誰もいない。ここで2杯目のコーヒーを飲んで下山開始。帰りは西側のコースを下る。こちらのコースも岩がごろごろの急斜面(個人の感覚)や、小さな沢を越える場所があったりと、なかなか大変なコースだ。下りながら「逆コースにしないで正解だったかな」という気持ちになる。(それでも後半は比較的歩きやすい道なので、実際は結局どちらを選んでも大差はないかもしれない)

山荘へ向かう
3年前に閉鎖したらしい
どんどん下る

 しばらく沢沿いの道を進み、そろそろ東コーストの分岐点が近づいた頃、ずいぶんと荒れた雰囲気の割れた瓶の破片があった。いったいこれは何だろう。昔、ここに何かしらの宿泊施設(野営地?)でもあって、酒盛りをした一升瓶を捨てていったのだろうか。でも、いくら何でも酷過ぎではありませんか? 登山開始時に感じた「人の手が入っていない荒廃したにおい」が間違っていなかったようだ。

 いや、決して管理者を批判するわけではない。おそらく分岐の標識にあった高松軽登山同好会の皆様がボランティアで、仕事の合間に手弁当で整備して下さっているのだろう。朽ちた木道や橋の補修などはしっかり成されていたので、それだけでも大変な労力だろう。景観は損ねるが歩くのに支障のない割れ瓶が後回しになrのは仕方がないだろう。しかも「ついでに拾っていくか」と言えるような量ではないのだ。自分もペットボトルや空き缶のひとつやふたつなら拾ってうることもあるが、そんな気持ちも抱かせない圧倒的なガラス片。さてどうしよう。もしかしたら「登山者ひとり一片運動」でも展開して、各自がひとつだけ登山口まで運んでくれたら解決か? いや、割れたガラスだ。手を切る人もいるだろうと思うとそれも躊躇ってしまう。やはりどこかのタイミングで一斉に撤去するしかないのか。

かなり残念な光景

 東赤石山は、珍しい「かんらん岩」の山で、その鉄分が酸化して赤い山になっているという。また、西赤石山はアケボノツツジの名所でもあるという。実際、登りごたえのある山であり、登山者は今後も増えていくだろう。であればなおさら、美しい景色を維持したいものだ。

 12時30分、登山口に戻って来た。トータル6時間40分の、大変だが面白い山であった。さんざん瓶の残骸の話をしたが、山それ自体は素晴らしいので、みなさん是非一度訪れてほしい。

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