「道の駅あきた港」を早朝に出発し、1時間ほどで旭又の登山口に着いた。車はまだ1台もなく、今日も自分が蜘蛛の巣及び熊払いの役を仰せつかることになる。コースタイム6時間半なので、最近の自分のペースからすると午前中には戻ってくるだろう。(そういえば、山を始めた数年前は「コースタイムおじさん」だったので、かなり成長したといえる)

メインルートのこの場所が真っ直ぐなのは「インクライン跡」だということを下山時に知る
急です

 5時50分スタート。太平山までのコースは3つあるが、今回は宝蔵山から入り太平山からまっすぐ下る周回ルートにする。15分ほど綺麗に整備されたほぼ平坦地を進むと、宝蔵山への分岐が現れた。メーンルートに比べるとやや狭い道は、すぐに真っ直ぐ尾根を進む急登となる。(急登の認識は個人差あり)登り返しもなく、1036mの宝蔵山まで700mを登るのだから、かなりキツい。途中にやや平坦なところも2ヶ所あるので、そこを休憩地にして水分補給しながら進む。大変ではあるが、森林の中の道自体はなかなか素敵で、木の間からちらちら景色が見えるのも良い。

宝蔵山来ました(標識引っ掻いたのだーれ?)

 7時45分、宝蔵山に到着。ここからが主稜線で、右に進めば緩やかに高度を下げながら4つの山を越えてスキー場に至るロングコースになり、左に150m高度を稼げば大平山頂だ。山頂の標識は一部削られていて、その原因を考えると恐ろしい。どうか何もでて来ませんように。

山頂が遠くに見える(ほんとに標高差150m?)

 ところで、大平山には「コアニチドリ」という大正8年に上小阿仁村で発見された固有種があるという。歩きながら探してみたが、結局見つからなかった。宝蔵山から大平山への登り返しの場所で似たような花を見つけたが、どうも写真とは違うみたい。7月から8月の花となっているので、まだ早かったようだ。

一瞬「見つけた!」と思ったけど、違うみたい

 宝蔵山から太平山までは距離にして1キロだが、かなり険しく(当社比)鎖場もあって緊張する。でも、とりあえず鎖があれば何かあったらしがみつけるので有難い。一般に「鎖場の鎖はなるべく体重をかけないで3点支持で」というが、自分はどうしても鎖に頼ってしまいがち。しかも壁にへばりついてしまう初心者である。これを克服できる日はくるのだろうか。次のレベルにいかないうちは、槍穂高や剱は無理だろう。

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ビビります
山頂!

 8時35分、なんとか太平山頂に着いた。曇り空で若干寒いが、まずまずの天気。そしてここは携帯の電波も入るのだな。(私はau)山頂には「太平山三吉神社奥宮」となっており、神社の案内を読むとなかなか由緒ある場所らしい。北海道から福島までの三吉神社の総本山とのこと。遠くはブラジルにもあるというから、きっとこの地方から移住した人も多いのだろう。山頂には神社の他に山小屋と別棟のトイレもある。小屋は宿泊も可能で食事もでるように書いてあったが人がいる気配はなかった。トイレも鍵がかかっている。こちらもコロナの影響だろう。自分は「山って外だし密にならんし、特に気にしない」という認識であちこち旅をしてきた。車で移動して車中泊なので感染リスクは少ないし、実際まだ一度も感染していない。しかし、山小屋となるとそうはいかないのも理解できる。早く日常に戻ってほしいと願う。(その一方で、登山者も少なく渋滞にならない山も良いなあと不謹慎に思ってしまう自分もいる。)
 山頂で30分ほど昼食休憩。悪天候でもないのに他に登山者は見当たらない。まあ平日だしまだ早いからこんなものか。

 9時10分下山開始。帰りはメインルートを下る。山頂直下には立派な鳥居があるが、少し曲がっている。雪の重みが原因と考えると、積雪は5mを超えるに違いない。さすがは秋田の山だ。

さあ、戻ろう(鳥居、曲がっとるで)
転ぶなよ自分
御手洗の水は飲んでいいのか? 手を洗うだけなのか?
昔はロープだった模様
インクラインとは簡単に言えばケーブル鉄道のこと
このまっすぐな道がインクライン跡らしい

 稜線から外れると道は急になり、「スベル 注意」の看板も時々現れる。途中で一人の登山者とすれ違い「わーい人いたー」と喜んだ以外は動物に遭うこともなく「御手洗」まで来た。ここには水場があるが、若干不安なので飲むことはせず通過。さらに急登(当社比)を下ると小さな社があり、そこから下は直線ルートになる。「インクライン」というケーブル鉄道の線路跡だという。そういえば宝蔵山にいく分岐で「メインの道はきれいにまっすぐだな。これはいわゆる神社の参道扱いかな?」くらいに思ったが、その理由がここで明らかになった。自分はあまり興味はないが、もしかして鉄道マニアの皆様にとっては有名な場所だったりするのでしょうか。
 復路は合計4人の登山者とすれ違い、11時過ぎに駐車場に戻った。7月7日の七夕登山が終わり、次は白神岳。3時間ほど車を走らせて「道の駅 はちもり お殿水」まで移動して寝ることにする。

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