実は秋田県の山は少々ビビっている。ここ数年、クマの被害が度々報道されているからだ。実際に食害も起きているし、人の味を覚えたクマが完全に駆除されていないという話もある。特に森吉山付近は物騒な感じがする。実際は日本のどこに行っても九州以外はクマの危険はあるわけだし、出会い頭にパンチを受ければ命に関わるのは間違いない。それでも、もしかして「人間? ああ、あの美味しいお肉ね」という認識があるクマがいるとしたら、熊鈴は熊避け鈴でなく熊呼び鈴になってしまうだろう。では怖いからといって登山を止めるかというと、クマに出会って怪我をする確率は0.1パーセントもないだろうから、気をつけながら登っている。クマスプレーもショルダーストラップにつけて、3秒で噴射できるようにしている。これでクマパンチ受けたら運が悪かったと諦め・・・でも痛そう。

雨やん

 7月6日の朝、「道の駅あに・マタギの里」は土砂降り。さて、予定の森吉山はどうしようか。でも最初からゴンドラを使う気満々なので焦ることはない。とりあえず現地に移動して様子を見ることにする。道の駅からゴンドラ駅までは車で30分程度。6時半には着いて、誰もいない駐車場でラーメンを煮る。雨は止んでいるが麓から上はガスで見えない。この時点で行くかどうかは半々といったところ。

 しばらく待っていると、少しずつ職員が出勤してきた。天気もいくぶん回復してきたようで、ゴンドラが動くのなら行く方向に傾いてきた。ゴンドラで山頂駅に降りてしまえば、そこからは標高差270mの緩やかなルートで、コースタイムも2時間半程度だ。まあ、なんとかなるだろう。

なんか、、、行けそう
上の方は怪しいなあ

 9時くらいに年配のグループが登って行ったので、一人じゃないと安心して切符を買い、ゴンドラに乗る。20分ほどで山頂駅に着いたところで雨具を装着して出発。ここで時刻は10時である。

 コースは最初に登りがあるが、大部分は平坦な木道となる。風が強く霧雨状態で、所々で花の写真を撮る以外は先へ先へと進んだ。途中の避難小屋も通過し、最後の登りに取り付くと、あっという間に山頂に着いた。

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霧雨
はい山頂、何も見えん 強風で寒い

 山頂に来ると風は一段と強くなり、立っているのがやっとの状態。しかも寒い。つい先日登った和賀岳の暴風に匹敵する悪天候になった。雨が弱いことが唯一の救いか。天気が良ければ先の仙人平まで行こうかとも思っていたが、とてもそんな気持ちになれない。今日は潔く撤退する。山頂脇にある小さな祠に、いつも通り精一杯煩悩成就の祈願をして下山開始だ。(煩悩、なかなか実現しないなあ)

 来た道を戻りながら、先にスタートしたグループはどうしたのだろうと不安になった。山頂往復ならどこかですれ違うはずだが、どこに行ったのだろう。仙人平まで進んだのだろうか。

 木道を通り抜け、もうすぐ最後の下りになるという分岐点でグループの皆さんと出会った。山頂ではなく森吉神社の方に行ってたのか。とにかく無事で良かった。これから山頂に行くというグループに風すごいから気をつけてと声をかけ、最後の下り、そしてゴンドラの山頂駅に着いた。ひどい天気だったが遭難しないで戻ってきた。クマにも食われなかった。無事であることで今日は合格だ。

山頂駅で一服

 山頂駅の休憩室でしばし休憩し。暖かいコーヒーを飲む。この窓からの景色も天気が良ければ最高なんだろうな。山頂の風景はどうだったんだろう。途中の木道も晴天の下ならさぞかし良いハイキングコースになるだろう。花畑を横目に歩き、正面にはたおやかな森吉山頂を望み、、、いいなあ。でもそれは次のお楽しみにしよう。天気ばかりはどうしようもありません。

 12時すぎにゴンドラに乗り込み、車に戻ったのが12時半。このあたりの三百名山は大平山と白神山だけになった。先に大平山に行った方が効率が良いので、「道の駅あきた港」に移動して寝るとする。

今夜のホテル
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