「Go to トラベル」が始まるとはいうものの、感染拡大している現状ではほいほい県外にでるのも抵抗があるものです。今年は「車中泊して百名山めぐり」を企画していたものですが、残念ながら来年度に延期。
そこで、身近な県内の山にねらいを切り替え、「やまがた百名山めぐり」を始めます。(パチパチパチ)
実は「やまがた百名山」という本が、2年前に出版されておりまして、山形県民の山好きは必ず持っている(はず)という地域限定のベストセラーなのです。
昨日行ってきた「月山」は、「日本百名山」であると同時に、「月山と姥ケ岳」は「やまがた百名山」でもあるわけで、姥ケ岳を第1回、月山を第2回とし、今回の城山は第3回とします。既に登っている山形の山もいくつかありますが、ここから再スタート!
目標は「80」です。(標題にあるように、完璧を目指さないのは生きる姿勢と価値観の問題・・・まあこれで良し)
長谷堂城とは
「北の関ヶ原」とも呼ばれる長谷堂合戦は、最上義光と直江兼続の戦です。上杉の家臣として山形に攻め込んだ直江兼続でしたが、難攻不落の長谷堂城がその侵攻を食い止めたのでした。本家の「関ヶ原」で西軍が敗戦すると、上杉軍は撤退し、山形の最上軍の勝利で戦は終わります。
長谷堂城は、標高230m、麓からは85mの小山ですが、その山をすべて城郭として機能させているので、江戸城(およそ45m)の2倍と言っても過言ではありません。山の斜面には「土塁」「曲輪」「横矢掛り」「切岸」「水堀」が何層にも造られ、今もその面影を残しています。
実際に登ってみましょう
城山(長谷堂城)の麓には大きな駐車場があります。駐車場には100円の自動販売機があり、併設の「長谷堂公園」にはトイレや水飲み場もあるので、手ぶらで行っても何とかなっちゃいます。小さな山なので、特にしっかりした登山の装備はなくて大丈夫。(私もカメラと水、ふつうの運動靴でした。)
駐車場に車を停め、水堀跡を越えて公園に入ると、城山全体の案内図があります。まずはここで簡単な歴史のおさらい。そしていよいよ山に入ります。杖やストックが置いてあるので、必要な人は自由に使って下さい。杖置き場は反対側の登り口にもありますので、どこで下りても返せます。
始めはコンクリートの斜面、そして階段を登ります。すぐに八幡神社に着きますが、ここは長居をしないで先に進みます。途中、少し見晴らしの良い場所に出ますが、ここには「帯曲輪郡」という段々畑状の防御施設があります。ここは直江軍の本陣があった菅沢山の正面です。
さらに進むと木の柵が並ぶ曲輪があり、ここでも敵の襲撃に備えていたようです。何重にも防御施設があり、攻めるのが大変だったのがよくわかります。
最後に細く曲がった小道(蛇が昼寝しとった)を登ると山頂広場に到着。今は広場が残るだけで城の建物はありません。広々とした跡地から菅沢山(敵軍)がよく見えます。また、山形の街並みも遠くに見える、景色の良い場所です。
駐車場から山頂まで、たったの15分。山登りと言って良いのかわからないくらい。でも、合戦の最中にいろんな場所から攻撃されたら、山頂に行き着く前にやられてますね。
帰りはせっかくなので「最上三十三観音 長谷堂観音」に立ち寄り、手を合わせて帰りましょう。帰りは道を間違わないように。油断すると別の登り口に降りちゃいます。
長谷堂観音から元来た道を登り、「八幡崎口」と書いてある標識から右に曲がり、あとは元の道をひたすら戻り、駐車場に到着。
所要時間 往復で30分のショートトリップでした。
スタートが12時40分という昼時だったので、山道で出会った人はゼロ。何をどう頑張っても密になれないひとときでした。
おそらく朝早い時間帯だと、毎日登ってくる地元の人が多いと思われます。それでも県外の登山客は、ほとんどいないでしょう。コロナを考えると、こんなショートショートの登山も悪くありません。何より、楽ちん。
やまがた百名山、はまりそうです。
詳しい解説は上記のページを参照して下さい。なんと13か国対応のサイトです。山形恐るべし。