4月16日(旅行2日目)

 6時起床、7時出発。昨夜はゴーゴーと吹きすさぶ風で、やや寝付けなかった。それとも久々の車中泊による緊張だろうか。

スポンサードリンク

 まずは気仙沼波路上にある旧向洋高校跡に向かう。ここは震災遺構として残すのだそうな。建物の4階まで水に浸かり、窓がこなごなになった姿は、7年前とはいえ気持ちが寒くなる。(気温も低い。)歴史上の出来事をリアルタイムに体験してしまったような感覚になる。おそらく、この時代に生きた東北の人間は、多かれ少なかれ震災を背負って生きていくことになるのだろう。実際に被害に遭っていない山形の自分が感じるのだから、太平洋側の人たちの気持ちはなおさらだろう。

向洋高校跡は震災遺構として保存され、安全対策が施された後には公開されるらしい。

 その後、道を間違って岩井崎という岬にいったら、松の木が龍の形になった有名なモニュメントを見つけた。震災以来時々見かけるが、ここにあったんだ。
 朝日新聞の折り込みページを見て向洋高校跡に来た。そこからふらふらと岬に来たら、有名な「龍の松」。龍さま、あなたがここまで導いたのですね。これからも町の守り神として面倒見て下さい。

岩井崎の「龍の松」

  この地域は防風林がすべてなくなったようで、小さな小さな松の苗木を無数に植えていた。一部は茶色くなっていたが、この中から未来の海岸を守る松林になるのを見届けたい気分だ。

がんばれ松の苗

 気仙沼市街を通過し、次に向かったのは唐桑半島の突端にある「津波体験館」というところ。唐桑半島ビジターセンターの中にある。係のお姉さんの話では、津波に合わせてシートが揺れる体験は、世界でここだけなのだそう。実際に体験してみると、揺れはさほどでもないが、東日本大震災後にリニューアルした映像は、一度体験してみるのもいい。380円を高いと思うか安いと思うかはひとそれぞれだろう。ビジターセンター自体は無料。地震と津波の資料は多い。本気で全てを読もうとすると2時間はかかる。(火曜日が定休日)

スポンサードリンク
唐桑半島ビジターセンター。津波関連の資料が多い。小さいけど体験シアターあり。

 唐桑半島ビジターセンターの詳細はこちら

 帰りに巨釜の「折石」を見る。岩そのものはまあこんな感じかというところ。でも、実際に行ってみて「こんなもんだ。」と言うためにも、一度は行くべき。

唐桑半島の巨釜にある折石は、明治三陸地震の津波で2mほど折れたから「折石」だそうです。

車は海沿いの道を北上し、陸前高田に到着。ここは「奇跡の一本松」があるところ。陸前高田もまったく復興は進んでいない。どこの町もまずは巨大な防波堤をつくるところから開発をスタートさせているようだが、その防波堤があまりに巨大で、どこも完成していない現状。ここも何十というショベルカーがあちこちをがりがり掘っている。

陸前高田の「奇跡の一本松」

 陸前高田を出て、すぐに釜石に行く予定が、「碁石海岸こっち」、無視して走ってるとまた「碁石海岸こっち」とくりかえし案内されて、ふらふらと寄り道してしまった。碁石海岸それ自体は見てこなかったが、有名な「穴通磯」の岩だけ写真に納めてきた。この岩は、かっこいい。途中、小さな入江の町をいくつか通過したが、どれも巨大な堤防ができつつある。なんだか日本人の意地のようなものを感じてしまう。

碁石海岸にある「穴通磯」

続いては釜石。もちろん震災の爪痕はここにも残っているが、世界遺産に登録された場所を見るのが目的。まずは鉄の博物館に立ち寄り、情報を得る。

 驚いた。世界遺産登録の中心である「橋野高炉跡」までは30キロ以上あるのだ。しかし、ここまで来て見ないわけにもいかず、予定のルートをはずれて山道を進んだ。
 そして、無事に世界遺産を見学し、あとは何も見ずに宮古に到着。
田老に行く予定が大きく遅れてしまった。でも、これも旅の良さと割り切り、今日は浄土ヶ浜の駐車場で泊まることにする。

スポンサードリンク
スポンサードリンク