芽室岳は日高山脈の北側にあり、幌尻岳やペテカリ岳に比べると標高差はやや小さい。それに、登山道自体も危険箇所はなさそうだ。それでも標高差1150mは易しいものではないし、なにより「三百名山にも入ってない山」ということは、登山者も少ないだろう。いざ登るとなったら結構な緊張感だ。


8月15日に雨竜沼湿原を散策した後風呂に入り、道の駅南富良野まで移動して就寝。翌16日の5時少し前にスタートし、芽室岳登山口には6時前に着いた。ちなみに登山口までの林道には2ヶ所のゲートがあり、自分で開けて通ったら閉めていくのがルールとなっている。駐車場に車はない。もしかしたら今日も一人かもしれない。誰もいないのは不安だし天気は良いとは言えないが、雨も降っていないのでとりあえず行ってみる。
スタート直後に橋を渡り、向こう岸をしばらく川沿いに平坦な道を進むが、10分も歩くと勾配は急になる。あとは尾根をだらだらと、だらだらと、そしてだらだらと登っていくだけだ。伸びた笹藪は昨夜の雨で濡れていて、すぐに雨具のズボンを履く。「上はどうしようかな、やっぱり着た方がいいかなぁ。でも汗かくかなぁ」なんて考えながら藪の中を突き進んでいるうちに霧雨となり、諦めてカッパ装着。山の中が濡れていると、きっと動物の匂いなんかも抑えられるだろう。これは直前までわからんやつだな。どうか出てきませんように。




途中では特に見どころもなく、9時過ぎ、稜線の鞍部に来た。ここから右に進めば1746mのパンケヌーシ岳だが、左の芽室岳に向かう。こちらは1753mで、ほんの少し高い。ネットで登山記録を検索すると両方行ってくる人も多い。でも、今日は天気があまり良くないので無理をしないことにする。
稜線に入ってからは少し天気も回復し、青空も見えてきた。よしいいぞ、このまま晴れてしまえと念じながら最後のひとふんばり。そして、9時35分に山頂に辿り着いた。景色はというと、残念ながら日高の山々は雲の中だった。



まだ時間にずいぶんゆとりがある。計算では下りは3時間程度だろうから、12時くらいまでいても問題はない筈だ。ポットに詰めてきたお湯でインスタントコーヒーを作り、パンを齧りながら晴れ間を待つことにする。稜線に出てからは電波も届くのでXに登頂をポストし、フォロワーさんの「おめでと山」なんていうコメントを読みながら時間をつぶすが、一向に晴れる気配がない。
50分くらい粘ったけど、10時20分、諦めて下山開始。登山道の笹藪は相変わらず濡れていて、雨具は水を弾くこともできずレロレロに濡れている。道そのものはまあまあ歩きやすいのだが、焦る必要もないので慎重に下りる。そして13時30分、登山口に戻った。
予想通り他の登山者はゼロで、完全貸切の山となった。









