秋田県立美術館は、小さくてちょっと地味かもしれませんが（ごめんなさい）、
よく見ると味のある美術館です。
あとで解説しますが、藤田嗣治の巨大な壁画あがありますよ。
これを見るだけでも行く価値があるというものです。
目次
秋田県立美術館の場所は
地図で見ると秋田市の中心街です。
秋田県美術館は、秋田市内にあります。
商業施設「エリアなかいち」の中にある、四角形の建物です。
最近の美術館はシンプルな外見が流行していますが、
秋田県美術館も御多分に洩れず、ほんとにシンプルです。
よーく見ないと美術館であることを見逃してしまいそう。
（車で行く人は、エリアなかいちの駐車場に入れます。美術館に入っても、駐車料金の割引はありませんのでご注意を。美術館に入ると、エリアなかいちでちょっとだけサービスがあります。）
館内は写真撮影禁止です。
入り口を入るとすぐに「撮影禁止」の表示がありましたので、
入ってから出るまで写真は撮りませんでした。
（ここにある画像はネットからの引用です。）
この日は大きな特別展は開催していないので、
常設展のみにしました。
（一階の県民ギャラリーでは、ちょっとしたグループ展をしてましたが、パス。ごめんなさい。）
常設展の陣容は、正直言うとあまり豊富ではありません。
２つの展示室に、数十点の作品がありました。
３１０円という値段に見合うくらいかなと・・・。
フジタの絵がある
でも、秋田県には世界にその名が知られている「藤田嗣治」がいます。
あの、長らくパリで活躍した、あの「フジタ」です。
藤田嗣治は、パリに渡り絵描き続け、パリでも超人気画家になり、おまけにフランス人（これがかわいい感じの美人）のマドレーヌを、日本に連れて帰って来たのでした。（愛人だったのね。）
作品の中ではじめに目に入るのは、藤田が「平野」邸の蔵の中で 日間かけて描いた巨大な絵。壁画と呼ぶべき大きな画面に、秋田の行事を描いた作品です。
藤田嗣治と日本の伝統ってちょっと意外な組み合わせですが、人物の表情に藤田らしさが見え隠れしています。
また、藤田得意の乳白色の裸像や、帰国途中に立ち寄った中南米の絵や素描も展示しています。藤田は帰国前に、どうしても中南米の空気を体験したかったらしく、数年かけてブラジル、アルゼンチンからペルー、メキシコなどを巡っています。マチュピチュにも立ち寄ったそうです。
そうやって、すばらしい体験をおみやげに、マドレーヌと一緒に帰国したのですが、残念なことにマドレーヌさんは若くして亡くなり、精神的にかなり大変な時期もあったと言う話です。
今回、秋田美術館に行って、藤田嗣治の生い立ちや歴史に触れ、思いを新たにしました。
県立美術館としては小さな美術館ですが、藤田嗣治という稀代のアーティストという目玉があることは幸せです。
藤田を見に、藤田を知りに行くだけでも価値のある美術館です。
でも、実は藤田嗣治、東京生まれで秋田には縁もゆかりもない人物。
それがどうして秋田とつながったかというと、
先にもちょっと触れた「平野政吉」という人物。
秋田の米穀商の家に生まれた政吉は、かなり破天荒な豪傑だったようですが、
藤田の個展を見てその才能に惚れ込み、コレクターとなります。
藤田の愛人マドレーヌが亡くなり、精神的にも経済的にも苦しかった藤田に、
「あなたの美術館を作る。」と持ちかけ、
大作「秋田の行事」の巨大壁画に、家が100件も買えるほどのお金を出したとか。
そんな平野と藤田の関係から、秋田に「藤田コレクション」があるのです。
偉そうに書いてますが、今回美術館を訪問して、初めて知りました。
美術館には、ちょっとしたカフェが併設されています。
食事はほとんどありませんが、ローアングルの窓から外の水面と公園の緑を見ながらのディータイムも素敵です。いくつかのスイーツと飲み物のセットもあります。
秋田犬に会いに行こう
さて、秋田県美術館がある「エリアなかいち」に、新たな観光スポットが誕生しました。
「秋田犬ステーション」です。
かわいい秋田犬ともふもふできると話題沸騰中。
（秋田犬は交代制のようですが、ストレス溜まらないといいね。）
美術館のついでにどうぞ。
秋田県立近代美術館も忘れてはいけません
秋田県立美術館のコレクションは、藤田を除くとちょっと貧弱な感もありますが、
実はもう一ヶ所、「秋田県立近代美術館」があります。
横手にある「秋田ふるさと村」の中にあります。
東京の「江戸東京博物館」のような中空の建物です。
秋田市からは遠いので、２つを一気に見ると言うもの大変ですが、
チャンスがあればこちらも見てください。
